提案書を一から作成するとなると、顧客に受け入れられるものを作成できるのかと不安な方もいるのではないでしょうか。提案書を作成する時には、提案書のテンプレートを活用することがおすすめであり、作成時には注意点や必要な基本項目を取り入れる必要があります。
この記事では、おすすめな提案書のテンプレート7選の他にも、作成時の注意点から必要な基本項目までご紹介します。提案書の作成でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
提案書とは提案項目をわかりやすく示した文書
提案書とは、顧客の課題や問題点に対しアイディアや改善案を提案する際に、提案項目をわかりやすく示した文書のことを言います。提案内容が顧客に受け入れられ受注へとつながるためには、説得力があり提案内容を明確に伝えることが重要です。
提案書には、主に以下のような提案項目が含まれます。
・タイトル、表紙
・現状の課題や問題点
・提案内容と解決策
・得られるメリット
・スケジュールや予算
・実際の成功事例
・補足情報
また、作成する時には「社内向け」「社外向け」といった2種類があり、企画書とは異なる書類です。
「社内向け」「社外向け」で作成目的が異なる
提案書には「社内向け」「社外向け」といった2種類があり、課題を解決するために作成することは共通しています。しかし、それぞれ以下のように作成目的が異なってくるため、作成する時には必要な情報が不足しないように注意しましょう。
社内向けの提案書
社内向けの提案書は、組織体制の変更やルール改正、業務改善や新規事業を提案し、社内で起きている課題を解決することなどを目的として作成されます。業務上の課題を提示し、改善のための過程を具体的に示すことが必要です。
社外向けの提案書
社外向けの提案書は、顧客の課題や問題解決にむけて自社の製品やサービスを利用することによるメリットや効果について説明するために作成されます。そのため、営業ツールとして使用されるケースがほとんどです。
企画書とは異なる書類である
企画書は、提案書と似ていることからよく間違われやすい書類と言われています。企画書と提案書の定義に明確な違いはありませんが、それぞれ異なる書類です。企画書は提案書と異なり、実現したい内容やアイディアなどを具体的にプランとしてわかりやすくまとめます。
企画書を作成する時には、読み手が企画内容を具体的にイメージできるように詳細な内容を記載することが必要です。企画書と提案書は使用用途も異なってくるため、使用する書式や記載する内容にも違いがあることが多くあります。しかし、企画書・提案書それぞれの解釈が異なるケースもあり、業界や企業ごとに使い分けることがおすすめです。
提案書を書くときの注意点は3つ
提案書を書くときの注意点は、主に以下の3つがあります。それぞれについて詳しく説明します。
課題や問題点を明確にする
1つ目は、課題や問題点を明確にすることです。提案書は「提案により課題をどのように解決できるか」を説明するために作成します。
そのため、課題や問題点を明確にしないと、適切な提案につながりません。また、要点が整理されており資料に目を通すだけで内容がわかるようにする必要があります。
社内向けの提案書であれば他の社員からも聞き取りし、課題や問題点の情報収集をすることも必要です。具体的にどのような問題が起き改善が必要なのか提案書に記載します。併せて課題の現状と課題の分析結果も加えることで、解決すべき課題であると理解が得られやすくなります。
社外向けの提案書では、対象となる顧客が課題や問題点を把握しているとは限りません。そのため、まず顧客へのヒアリングが重要です。具体的な課題を把握することで説得力のある提案もしやすくなります。
解決策を立てメリットを明確に伝える
2つ目は、解決策を立てメリットを明確に伝えることです。まず解決策を立てる時には、多くのアイディアを発案しましょう。多くのアイディアを発案することで、最善な解決方法が見つけやすくなります。
発案したものの中から現実的に実行可能なものを検討し、解決策として提案書にまとめます。課題や問題点の原因に対しての解決策であると示すことで、提案書の内容が伝わりやすくなるためおすすめです。
また、メリットを明確に伝えることで解決策の採用が左右されます。そのため、可能な場合は裏付けとなる具体的なデータを用いて正確に記載するようにしましょう。グラフや図などを用いて視覚的に伝えることも効果的です。
反対にデータで示すことが難しい場合は、解決策をとることでどのような結果になるのか具体的に示すことが大切になります。
予算や全体像のわかるスケジュールを設定する
3つ目は、予算や全体像のわかるスケジュールを設定することです。提案書の内容を実施するために、必要となる予算やスケジュールは無理のない範囲で具体的に設定します。具体的に設定することで、提案内容を採用するか判断する目安になるためです。
課題や問題点の解決の可能性がどんなに高く優れた提案であっても、予算やスケジュールに見合わなければ実現不可能と判断されかねません。具体的に予算やスケジュールが示されることで、判断する側もイメージがしやすく結果として採用されやすくなる可能性が高くなります。
また、具体的な予算設定はコスト削減にもつながり、費用対効果がわかりやすくなります。さらに、全体像のわかるスケジュール設定により必要とするリソースを適切に配分できるため、プロジェクトの品質維持にもつながるのです。
提案書に必要な基本の7項目
ここでは、提案書に必要な基本の7項目について解説します。
タイトル・表紙
タイトル・表紙は最初に目に飛び込む部分であり、提案書の顔となるためここで第一印象も決まってしまいます。提案書の内容を端的に伝えつつ、コピーライティングも活用しながら興味を引くようなタイトル・表紙を設定することが重要です。
コピーライティングは言葉で人間心理を動かし行動を変える技術のため、これを意識することで興味を引くようなタイトル・表紙を設定が可能になります。興味が引かれることで、相手も読もうという意識が芽生え提案書の捉え方にも違いが出てきます。
現状の課題や問題点
提案する相手に対し現状の課題や問題点を明確に示します。中には、課題や問題点について認識はあるものの具体的に把握しているとは限りません。ここで、現状の課題や問題点の背景まで整理することが必要です。
また、課題や問題点に対して明確なデータを記載するとよいでしょう。グラフや図などを用いて視覚的にも相手に課題や問題点を伝える工夫もおすすめです。さらに、相手が抱えている悩みや不安なども共有することで信頼も得られやすくなります。
提案内容と解決策
提案内容と解決策は提案書の中でも重要な項目です。他の項目よりもさらにわかりやすく相手に伝える必要があります。そのため、提案内容と解決策の全体像を述べてから詳細を記載するといった順番を意識しましょう。
併せて、相手に最後まで読んでもらい次のメリットの項目に誘導するために、簡潔に記載することも必要です。課題や問題点の項目と同様に、グラフや図などを用いることでさらに理解が得られやすくもなります。
得られるメリット
メリットの項目には、提案内容と解決策を実施することで得るメリットを明確に記載します。提案の採用に大きく関わってくるため、メリットを明確に示せるかが重要になります。また、メリットの項目も相手に伝わりやすいように信頼できるデータや数値、グラフや図などを用いることがおすすめです。
記載するにあたって注意したいのは、伝えたいメリットが相手のニーズから離れてしまうリスクです。相手の目線や立場を踏まえた内容とし、相手のニーズから離れたものにならないように伝えることが重要になります。
スケジュールや予算
スケジュールや予算は、提案内容の実現に必要な項目です。まずスケジュールには人員計画といった、いつ・どこで・誰が・何をするなどと明確に記載することで、説得力のある提案書となります。
また、予算についても曖昧な内容で記載はしないようにしましょう。信憑性や妥当性を高めるために予算の内訳も細かに記載することが大切です。併せて投資回収期間なども記載することで、提案内容の現実味が帯びやすくなります。
実際の成功事例
実際の成功事例も具体的に記載すると、提案内容を採用後のイメージがつきやすいのはもちろん、実績や信頼性のアピールにもなります。また、提案内容の採用も前向きに検討しやすくなる判断材料にもなるでしょう。
成功事例を記載する時には、「どのような課題や問題点があったのか」「提案した内容や解決策」「得られたメリット」について整理して記載することで、相手にも具体的に内容が伝わりやすくなります。
補足情報
最後に、補足情報も記載しておくとよいでしょう。補足情報には、他の項目で記載した内容以外で伝えたいことを記載します。例を挙げると、提案した資料などの補足情報や社外向けの提案書であれば会社概要などです。
提案書のテンプレートおすすめ7選
提案書を作成するにあたって便利なツールなどがあることをご存知でしょうか?ここでは、提案書のテンプレートおすすめ7選について紹介します。どのテンプレートが使いやすいのかや作成目的に合っているのかなどを考えながら参考にしてください。
Canva
出典:
https://www.canva.com/
Canvaはオーストラリア発祥のクリエイティブツールであり、提案書のテンプレートも搭載されています。
無料と有料プランとありますが、無料プランの範囲内でも利用には問題ありません。有料プランにて利用すると、提案書作成で使用できる機能の幅が広がるといったメリットがあります。
Canvaの特徴としては、テンプレートのデザインがポップなものやシックなものまで幅広いデザインが揃えられていることです。そのため、提案書を提出する相手に合わせたテンプレートのデザインが選択しやすくなっています。
また、Canvaの包括的なテキストツールを使用することで、提案書に合った書式やフォントを選ぶことが可能です。他にも、視覚的なサポートとなるイラストやアイコンなどの素材も豊富にあります。さらに、データを共有できるためチーム内で共同編集ができ、PCやスマートフォンなど幅広いデバイスからも作成ができます。
MISOCA
出典:
https://www.misoca.jp/blog
MISOCAとは、弥生株式会社が提供している請求書や納品書など会計業務に関する書類を管理するツールですが、公式ブログにて提案書のテンプレートが無料配布されています。配布されているテンプレートは、Word・Excelの両方で使用が可能です。
無料配布のテンプレートを利用したい場合は、MISOCA公式ブログよりダウンロードができます。シンプルな形で構成されたデザインであり、複数枚の提案書ではなく1枚の提案書を作成したい方におすすめのテンプレートです。
また、テンプレートのダウンロードページを見ると、提案書の構成や作成のコツについても記載されています。初めて提案書を作成する方にとっては、有益な情報も記載されているためおすすめです。
bizocean
出典:
https://www.bizocean.jp/doc/
bizoceanはトライベック株式会社が提供しており、提案書を含めビジネスシーンなどで使用する様々な書類のテンプレートをダウンロードができるWebサイトです。
3.2万点以上のテンプレートを対象としており、無料会員登録することでダウンロードの回数制限なく利用できるといった特徴があります。
書類のテンプレートは無料から有料のものまでと幅広くあり、無料のテンプレートでも十分に活用ができます。そのため、自社の状況にあった適切なテンプレートを探すことが可能です。
また、ビジネスシーン以外でも使用できるテンプレートもありファイル形式やキーワードを入れてテンプレートの検索もできるため、提案先や内容に合ったテンプレートも選びやすくなっています。
スマートドキュメント
出典:
https://smartdoc.jiinet.co.jp/
スマートドキュメントは、ビジネスやプライベートなどで利用するテンプレートや書式の情報を発信しているメディアです。提案書はもちろん、幅広いシーンで活用できるテンプレートや書式を無料でダウンロードできます。
提供している提案書のテンプレートは、Word・Excel・PowerPointに対応しています。シンプルなデザインのものが紹介されており、テンプレートが多すぎてどれを選ぶか迷うこともありません。
テンプレートには必要な項目が設定されているため、現状分析から解決策の提案といった順序立てながら提案書を作成したい場合におすすめです。また、テンプレートの提供だけではなく提案書作成に役立つ情報や、様々なカテゴリーごとにビジネスに関する情報発信もしています。
bizroute
出典:
https://bizroute.net/
bizrouteは、ビジネスに活用できるツールやノウハウを紹介しているオンラインメディアです。Wordに対応している提案書のテンプレートを提供しており、無料でダウンロードができます。
また、提案書の例文テンプレートも用意されており「海外工場視察」「備品購入」などとシーン別に分かれています。そのため、利用状況に近いテンプレートを選びカスタマイズし使用することも可能です。
さらに、提案書を作成する際に抑えるべきポイントや提案書の書き方まで解説しているため、提案書の作成に慣れていない方にもおすすめです。他にも、総務や営業などと部門ごとに必要なテンプレートも提供しているため、幅広いシーンで活用ができます。
テンプレートBANK
出典:
https://www.templatebank.com/
テンプレートBANKは、ビジネスシーンで使用する書類のテンプレートだけではなく、販売促進や案内などでも使用できるデザインテンプレートも提供しているWebサイトです。ビジネスユーザー向けとなっており、幅広いシーンで利用が可能です。
PowerPointに対応したテンプレートを提供しており、無料会員登録することでダウンロードができます。キーワード検索機能もあり業種や職種別にカテゴリーも分けられていることから、目的に近いテンプレートが探しやすいといった特徴があります。
また、提案書に加えるイラストや写真などの素材もダウンロード可能です。素材だけ別途探す必要もなく1つのWebサイト内でテンプレートや素材を探すことまでできます。
デザインAC
出典:
https://www.design-ac.net/
デザインACは、無料会員登録することで提案書作成に活用できるテンプレートがダウンロードできるツールです。
有料会員登録もでき、無料会員に比べるとダウンロード制限や待ち時間がありません。そのため、頻繁に利用を検討する場合は有料会員登録も検討するとよいでしょう。
テンプレートだけではなくフリー素材も豊富であり、同じアカウントにてグループサイトであるイラストACや写真ACよりフリー素材の利用が可能です。提案書に加える素材も手軽に探せることからひと手間加えた提案書作成ができます。
また、提案書を作成する時にはブラウザ上で作業しますが、チーム内での共有や複数人での同時編集まで行えます。
まとめ
この記事では、おすすめな提案書のテンプレート7選の他にも、作成時の注意点から必要な基本項目までご紹介しました。
提案書を作成する時には、テンプレートの活用がおすすめです。また、提案書の作成時には注意点や必要な基本項目があります。ぜひこの記事を参考にして頂き、説得力のある提案書作りに活かしてください。