この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 品質保証を強化するために、品質基準・手順・対応フローを標準化したい(法人)
- ✅ マニュアル・手順書・研修資料を活用して、部門間で品質情報を共有しやすい環境を整えたい
- ✅ 教育・運用・見直しまで含めて、継続的に品質向上へ取り組める仕組みを作りたい
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品質保証は製品の品質を守る業務
品質保証とは、製品の品質を守る業務です。製品企画から納品後にわたって、顧客の安心や満足を保証するために定められた基準を満たしているか確認します。
特にものづくりをする企業では、製造する製品の品質基準を定め、基準を満たすように製品が製造されています。
品質管理との違いは?
品質保証と似た言葉に「品質管理」があります。品質管理とは、製品の品質を管理する業務であり、品質保証との違いは以下の通りです。
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品質保証 |
品質管理 |
| 責任を負う範囲 |
製品の企画~納品後の製品の品質に責任を負う |
製品の製造開始~出荷までの製品の品質に責任を負う |
| 時間軸 |
製品の企画~納品後までの品質保証 |
製品の製造開始~完成までの品質保証 |
| 業務範囲 |
業務範囲が幅広い |
製品の製造過程のみ |
品質保証で行う主な業務内容
品質保証で行う主な業務内容は、以下の4つです。
製品の品質評価基準を決める
まず、顧客のニーズを把握し製品の企画や設計が始まります。企画や設計をした上で、製品の品質評価基準を決めるのも重要です。
法律や国際企画などに合わせた基準を決め、工程ごとに設定する基準も決めます。基準を決める際には、過去の不良品やクレームのデータの活用も行いましょう。
原材料や製造工程の調査をする
原材料の品質が基準を満たしたものでないと完成品の品質も保証できません。そのため、原材料の調査も品質保証の業務の1つです。原材料を仕入れる際に品質に関する客観的なデータを取得したり、データや論文を参考にした上で品質を証明できる報告書を作成したりします。
また、原材料の品質保証ができても製造工程にトラブルが生じると、製品の品質に影響が出る可能性も少なくありません。現場と連携しながら、品質が維持できる製造工程であるか細かく確認し、改善に取り組むことが必要です。
完成した製品の品質を調査する
製品の製造を終えたら完成した製品の品質を調査します。この調査の際に実施するのが、「外観検査」「機能検査」です。
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外観検査 |
機能検査 |
| 検査項目 |
・形、構造、色、寸法、見栄えなど
・傷や汚れ、へこみなどの有無 |
・仕様書に沿った機能を持っているのか、製品が動くのか確認する。
・使用を想定した環境、想定していない環境においての作動状況を確認する。 |
| 検査手法 |
・目視検査
・画像認識技術を用いた検査 |
・目や手などを用いた官能検査
・機械を用いた検査 |
製品出荷後のトラブルに対応する
品質保証の業務は、製品出荷後まで行います。製品出荷後に起こるトラブル対応も重要な業務です。トラブル発生時は、起きている問題の調査と分析、再発しないための対応策まで考えます。
問題の調査をする際には、どのような環境下で使用したのかなど細かく聞き取りが重要です。また、問題の分析後は必要に応じて原材料の基準変更や製造工程の見直しなどの取り組みも必要です。
品質保証に求められるスキル
品質保証に求められるスキルは、以下の4つです。
専門的な知識
品質保証では製品の製造過程だけではなく顧客対応まで行うため、製品の使用方法や特徴などの説明を求められる機会があります。そのため、取り扱う製品に関する専門的な知識も必要です。
データ収集し分析するスキル
データ収集し分析するスキルも品質保証に求められるスキルの1つです。高品質の製品を提供するためには、継続したデータ収集や検査で得た結果を詳細に分析するスキルが必要になります。
また、納品後の製品にトラブルが発生した際にも、原因究明や再発防止策を立てるため品質に関するデータ収集と分析が欠かせません。
コミュニケーションスキル
品質保証の業務では、製品に携わる様々な関連部署と連携を図る必要があるため、コミュニケーションスキルも求められます。
トラブル発生時には顧客対応もするため、社内・社外問わずに対人関係のやり取りが多いのも特徴です。密なコミュニケーションが必要となる機会が多く、高いコミュニケーションスキルが欠かせません。
リスクマネジメントスキル
トラブル発生後に対応するのではなく、トラブルを未然に防ぐリスクマネジメントスキルも品質保証において必要です。
リスクマネジメントスキルがあると、万が一トラブルが発生しても正しく対応が行えるだけではなく、トラブルを未然に防げるため顧客からの信頼も得られやすくなります。
品質保証が重要視される理由
品質保証が重要視される理由として、以下の3つが挙げられます。
製造段階からのミス防止
品質保証は製造段階から製品の品質を守る必要があります。そのため、製造段階からのミスを防止し製品の品質を守ることが可能です。また、製造段階からのミスを防止することで、ムダなコストの削減にもつながります。
重大事故の防止
品質が守られていないまま製品が出荷されてしまうと、トラブルが発生した際に重大事故が起こる可能性も少なくありません。製品の利用者の安全を確保し、継続利用してもらうためには、品質保証が重要な役割を担います。
企業の信頼を得るため
製品の品質に関するトラブルが発生した際に、スムーズに解決できないと企業の信頼は下がってしまいます。そのため、品質保証の体制を強化し、製品の品質を一定水準安定して維持することが重要です。
クレームを防止し企業の信頼を得るためにも、品質保証は欠かせません。
品質保証を行う上で大切なこと
ここでは、品質保証を行う上で大切な4つのことについて解説します。
品質を第一に考える
品質保証の基本は、顧客にとっての品質を理解し、それを最優先に考えることです。
法規制や業界基準を満たすだけでなく、耐久性や安全性、使いやすさを向上させ、顧客満足度を高めることが重要です。特に、クラウドサービスでは操作性や安定性、サポート体制が品質の一部と考えられます。
例えば、動画編集ツールやオンラインプラットフォームの場合、システムの安定性や直感的な操作性が求められます。
品質を維持するためには、顧客フィードバックを積極的に収集し、品質向上のための改善策を反映することが不可欠です。
部門間の円滑な連携
品質保証は、設計、製造、営業、カスタマーサポートなど、多くの部門と連携して成り立ちます。開発部門が製品の仕様を変更した場合、品質保証部門がその影響を正しく評価し、適切な品質基準を設定する必要があります。
カスタマーサポート部門と連携することで、顧客のクレームやフィードバックを迅速に分析し、改善策を講じることが可能になります。
品質基準や業務フローを可視化し、全社で共有するためには、マニュアルや研修資料を効果的に活用することが重要です。
トラブル対応とリスクマネジメント
品質保証では、トラブル発生時の対応力が重要です。問題が発生した場合、迅速に原因を特定し、適切な対策を講じることが求められます。
まず、発生した問題の原因を分析し、どの工程に問題があったのかを明確にすることが必要です。過去の品質データや検査結果を活用すれば、より精度の高い分析が可能になります。
次に、影響範囲を特定し、必要に応じて顧客や関係者へ情報を提供します。対応が遅れると企業の信頼低下につながるため、迅速な情報共有が不可欠です。最後に、再発防止策を講じ、品質基準や製造工程の改善を行います。
最新技術の活用
品質保証の分野でも、AIやIoT、クラウドなどの最新技術を活用することで、より高度な品質管理が可能になります。
例えば、AIを活用した画像認識技術を導入することで、製品の外観検査を自動化し、目視検査では見逃しがちな微細な欠陥を検出できます。IoTセンサーを活用すれば、製造ラインの異常をリアルタイムで監視し、不具合が発生する前に対策を講じることが可能です。
クラウドベースの品質管理システムを導入すれば、品質データを一元管理し、複数の拠点や部門間でリアルタイムに共有できます。
さらに、動画を活用した品質保証の強化も有効です。専用の動画編集ツールを使用すれば、誰でも簡単に品質管理マニュアルを作成し、情報共有をスムーズに行えます。
品質保証を行う際に気を付けるポイント
ここでは、品質保証を行う際に気を付けたいポイントを解説します。
品質基準を曖昧にしない
品質保証では、「何をもって良品とするのか」が明確でなければ、判断にばらつきが生じます。担当者ごとに基準の解釈が異なると、同じ製品でも判定結果が変わる可能性があります。
そのため、寸法や性能、外観、作動条件などをできるだけ具体的に定め、誰が確認しても同じ判断ができる状態にしておくことが大切です。基準が曖昧なままでは、品質保証の信頼性そのものが低下してしまいます。
上流工程から関与する
品質保証は完成品の確認だけを担うものではありません。企画や設計の段階で条件設定に無理があると、製造現場がどれだけ注意しても安定した品質を実現しにくくなります。
そのため、仕様の決定段階や試作段階から品質保証の視点を入れ、問題が起こりそうな箇所を事前に確認することが重要です。後工程で不具合を見つけるよりも、前段階で防ぐほうが効率的であり、手戻りの削減にもつながります。
判断を個人任せにしない
品質保証の現場では、経験豊富な担当者の判断が頼りになる一方で、その人にしかわからない状態になると運用が不安定になります。担当者が変わった途端に判定が変わるようでは、品質保証体制として十分とは言えません。
確認項目や判定条件、報告方法などを文書化し、教育内容もそろえることで、誰が担当しても一定水準で対応できるようにする必要があります。属人化を防ぐことは、品質の安定化に直結します。
運用を固定化しすぎない
品質保証の仕組みは、一度作れば完成というものではありません。製品仕様の変更、原材料の変更、市場環境の変化などに応じて、見直しが必要になる場面は多くあります。以前は問題なかった基準や手順でも、環境が変われば適切でなくなる可能性があります。
そのため、定期的に運用を確認し、現場の実態や過去のトラブルを踏まえて見直していくことが重要です。改善を続ける姿勢が、品質保証体制をより強くします。
まとめ
今回は、品質保証で行う業務や品質管理との違い、求められるスキルなどについて解説しました。品質保証は、製品の品質を守るために重要な役割を担っている業務です。
また、他にも製品の利用者の安全を守ったり、企業の信頼を得たりなどの役割も担っています。さらに、品質保証の業務は多岐にわたるため、これから品質保証の業務に携わる方は、求められるスキルなども参考にし品質保証の業務に活かしてください。