チェックリストとは
チェックリストは作業の進捗を確認するために用いられるツールです。
各項目のそばにチェックボックスが設けられており、対応や確認が完了した項目にチェックマークを入れ、完了した項目と未完了の項目を区別していきます。
チェックリストの活用方法はさまざまで、タスクを確認するために用いられることもありますし、作業の手順や重要事項を確認する目的で用いられることもあります。
チェックシートと混同されることもありますが、チェックシートはよりさまざまな用途で用いられるもので、形式もさまざまです。
チェックシートの中にチェックリストが含まれるイメージであるため、チェックシートはチェックリストよりも広い意味で用いられる傾向があります。
チェックリストを作成することで期待できるようになるメリットや効果
個人的に取り入れているビジネスマンや日々の業務に取り入れることを推奨している企業も多い便利なツールであるチェックリストですが、ビジネスマンや企業がチェックリストを取り入れるのは、活用することでさまざまなメリットや効果が期待できるようになるからに他なりません。
チェックリストを導入して活用することで期待できるようになる主なメリットとしては、
・タスクの抜け漏れやミスを防げるようになる
・業務の進捗状況をひと目で確認できる
・業務や作業工程を可視化できる
・業務の質や生産性を向上させられる
などがあげられます。
それぞれのメリット・効果を詳しく解説していきます。
タスクの抜け漏れやミスを防げるようになる
チェックリストを作るとやるべき業務や作業工程が可視化されます。
完了したタスクや工程にチェックを入れることで完了したタスクや工程をひと目で確認できるようになるので、タスクの抜け漏れを防げるようになりますし、本来やるべき業務や工程をやらずにスルーしてしまうようなことがなくなるのでミスも発生しづらくなります。
業務の進捗状況をひと目で確認できる
業務の進捗状況をひと目で確認できるのも、チェックリストを作成するメリットの一つです。
複雑な業務や工程の多い作業をおこなっているとどこまで進めたかわからなくなってしまうことがあるかと思いますが、チェックリストを活用する場合、どこまで進めたのかやどういった作業が残っているのかをひと目で確認できるようになるので、そういったトラブルが発生しません。
どこまで対応したかひと目で確認できるようになるので、他の人に作業を引き継ぐときにも効果を発揮します。
業務や作業工程を可視化できる
チェックリストを作成して日々の業務で活用する場合、業務や作業工程を可視化できるというメリットもあります。
チェックリストは、対象の業務でやるべきことや作業工程をリスト化し、それらを対応する順番や時系列順に並べるようにして作成していきます。
そのため、チェックリストを見ればどういった内容の業務なのかがひと目でわかるようになりますし、具体的な作業工程も一目瞭然です。
業務の質や生産性を向上させられる
チェックリストを作成するとやるべきことが可視化され一目瞭然になると紹介してきましたが、それによって期待できるようになるのが生産性の向上です。
チェックリストでやるべきことを可視化すると、無駄な部分や効率化できる部分が見えてくるので、それらを見直すことで生産性を向上させられるようになります。
また、今の業務の進め方を見直し、改善することで、業務の質も高められるようになります。
チェックリストを作成するときの流れ
チェックリストを作成して活用したいと考えているのであれば、作成の流れについても把握しておかなくてはいけません。
チェックリストを作成するときの大まかな流れは以下のとおりです。
1. 目的を明確にする
2. 業務や作業工程を洗い出す
3. ツールを決める
4. 時系列を意識しながらチェックリストを作成していく
5. 内容をチェックする
6. 共有する
7. 更新する
それぞれの工程を詳しく解説していきます。
1. 目的を明確にする
チェックリストを作成するときにまずやるべきなのが、目的の明確化です。
チェックリストを作成することで解決したい問題や課題を明確にしたり、何を期待してチェックリストを作成するのかを明確にしておきましょう。
作成する目的が明確になっていないと効果を得ることはできませんし、効果の期待できないチェックリストを惰性で使い続けることになりかねません。
今後の工程の道筋を明確にするためにも、まずは何のためにチェックリストを作成するのかを考えましょう。
2. 業務や作業工程を洗い出す
チェックリストを作成する目的が明確になったら、業務や作業工程を洗い出していきます。
個人で洗い出しの作業を進めていると抜け漏れや見落としが発生する可能性があるので、さまざまなメンバーで意見を出し合いながら作成するのがおすすめです。
この工程では、日々の業務の進め方や作業工程を洗い出していくことになるので、その中で不明点や改善点が見つかることも珍しくありません。
「この作業って何のためにやるんだっけ?」「ここはこうした方が効率的なのでは?」「この工程も必要かも…」といった意見が出てきたときは、作業工程の見直しなども併せておこなうようにしてください。
3. ツールを決める
業務や作業工程の洗い出しが完了したら、どのツールを使ってチェックリストを作成していくか決めていきましょう。
作成したチェックリストを個人的に活用するのではなく社内で活用する場合、共有のしやすさも考慮してツールを選ぶようにしなくてはいけません。
共有のしやすさを考えると、ExcelやWord、Googleのスプレッドシートなどがおすすめです。
これらのツールはオンラインでの共有機能が充実しているので、うってつけのツールだと言えるでしょう。
4. 時系列を意識しながらチェックリストを作成していく
ツールが決まったら、いよいよチェックリストを作成していきます。
業務や作業工程の洗い出しは完了しているので後は項目を並べてチェックリスト化していくだけですが、チェックリストを作成する際は時系列を意識しながら作成するようにしてください。
時系列がバラバラになっているとチェックリストを使って作業する人を混乱させてしまいかねませんし、リストをいったりきたりしながら作業することになるので効率的ではありません。
実際のその業務をおこなうときをイメージしながら、時系列を意識して作成していくようにしましょう。
5. 内容をチェックする
チェックリストを作成した後は、いきなり共有するのではなく、必ず内容をチェックするようにしてください。
内容が間違っているチェックリストをそのまま共有するとミスやトラブルにつながってしまいかねませんし、間違った対応方法を根付かせてしまいかねません。
チェックリストが完成したら、内容を見直しながら、一度そのチェックリストを用いながら対象の業務をおこなってみてください。
そうすることで間違いに気づきやすくなりますし、使い勝手についても確認できるようになります。
6. 共有する
内容のチェックが完了したら、作成したチェックリストを社内で共有し、実際に使ってもらいましょう。
共有する際は、ただ共有して使ってもらうだけでなく、必ずフィードバックをもらうようにしてください。
ここまで質の高いチェックリストを作成するための流れを紹介してきましたが、この流れに沿ってチェックリストを作ったとしても、いきなり完璧なリストに仕上げることはできません。
フィードバックしてもらった意見を反映させ、少しずつブラッシュアップしていくことでより良いチェックリストになっていくので、フィードバックしてもらえる体制を整え、積極的に意見してもらうようにしましょう。
7. 更新する
作成したチェックリストは、定期的に見直し、更新するようにしましょう。
フィードバックしてもらった意見を精査して反映させ、ブラッシュアップさせていくのはもちろん、業務の内容が変更になったときや作業工程が変わったときも内容を更新するようにしなくてはいけません。
業務内容や作業工程が変わったときは特に注意が必要です。
業務内容や作業工程が変わったのにも関わらず古いままの情報が記載されていると、チェックリストを使って作業する従業員が誤った方法で対応してしまい、ミスやトラブルを引き起こしてしまいかねないので、必ず更新するようにしてください。
スプレッドシートを使ったチェックリストの作成方法
ExcelやWordなどチェックリストの作成に用いられるツールはさまざまですが、ここでは一例としてスプレッドシートを使ったチェックリストの作成方法を解説していきます。
スプレッドシートはGoogleが提供している無料で利用できる表計算ツールです。
Excelと似たツールとして知られていますが、Excelがチェックリストを作成するのに多少手間がかかるのに対し、スプレッドシートはより簡単に作成できるというメリットがあります。
スプレッドシートを利用するにはGoogleのアカウントが必要になるので、なければアカウントを作っておきましょう。
スプレッドシートを開いたら、
任意のセルを選択して、
タブの「挿入」をクリックします。
後は表示されるメニューの「チェックボックス」をクリックするだけです。
クリックすると、選択したセルにチェックボックスが挿入されます。
チェックマークは、セルをクリックすることで付けたり外したりすることができます。
チェックボックスの入れ方がわかったら、チェックボックスに隣接するセルに項目を入れるなどしてリストを作成していきましょう。
スプレッドシートはこの操作だけで簡単にチェックボックスを挿入できるようになっているので、ツールの扱いに慣れていない方でも簡単にチェックリストを作成することができます。
チェックリストを上手く活用するときのポイント
チェックリストの効果を最大化し、しっかりと活用していきたいと考えているのであれば、活用するときのポイントについても押さえておかなくてはいけません。
チェックリストを作成して活用するときのポイントとしては、
・他のツールと併用する
・内容はなるべく簡潔にする
・項目は時系列順に並べる
などがあげられます。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
他のツールと併用する
チェックリストは他のツールと併用することを前提に活用するようにしましょう。
例えば、業務マニュアルの中にチェックリストを見ながら作業を進めることを記載しておけば、チェックリストを使わずに作業を進めることを防げるようになります。
また、チェックリストには業務の進め方や作業工程こそ記載されていますが、各工程の詳しい内容や解説が記載されているわけではないので、そこは業務マニュアルで保管しなくてはいけません。
業務マニュアルなどの他のツールを併用することで作業の質や効率の向上につなげられるようになるので、併用を前提に活用するよう心がけましょう。
内容はなるべく簡潔にする
チェックリストに記載する内容は、なるべく簡潔にするようにしてください。
チェックリストはあくまでもやるべきことをきちんとやれているかどうかを確認するためのものであって、作業の内容ややり方を細かく解説するものではありません。
本来、作業内容ややり方の解説は業務マニュアルでおこなうもので、チェックリストですべて賄おうとするとわかりづらく扱いづらいものになってしまいかねません。
もし業務マニュアルを用意できていない場合は、チェックリストにすべて記載しようとせず、業務マニュアルも一緒に作成するようにしてください。
項目は時系列順に並べる
チェックリストを作成する際は、必ず項目を時系列順に並べるようにしてください。
項目が時系列順に並んでいないと、作業者を混乱させてしまいかねません。
また、時系列順に並んでいないと、各項目を行ったり来たりする必要が出てきてしまい、効率が低下してしまうので、作業工程をリストアップしたら、時系列順に並べながらリストを作成するようにしましょう。
まとめ
タスクを可視化し、やるべきことの抜け漏れやミスを防いでくれるチェックリストについて紹介してきました。
スプレッドシートを使ったチェックリストの作成方法の見出しで紹介したとおり、チャックリストは簡単に作成可能なので、導入するデメリットはほとんどないと言っても過言ではありません。
一方、活用することで期待できるようになるメリットや効果は非常に大きいので、積極的に導入するべきです。
ただ、シンプルなツールとは言え、闇雲に作成してしまっては本来得られるはずの効果を得られなくなってしまう可能性があるので、この記事で紹介した作成の流れや作成するときのポイントなどを参考にしながら作るようにしてください。