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品質の向上をする際に必要なポイントとは?実際の企業事例についても紹介

品質の向上をする際に必要なポイントとは?実際の企業事例についても紹介

2024-08-12
品質の向上は企業にとって重要な課題であり、「品質の向上の取り組みに必要なポイントは?」「取り組む際に意識すべきことは?」と頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、品質の向上に必要なポイントや意識すべきこと、実際の企業の取り組み事例などについて紹介します。品質の向上への取り組みに悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。

品質の向上は大きく分けると2種類ある

顧客が求める質の高い製品を作ったり、サービスを提供したりするために、それに関わる業務の質を高くすることが品質の向上です。具体的には、品質の向上は大きく分けると以下の2種類があります。

製品やサービスの品質の向上

製品であれば顧客にとってより魅力的な製品を製造すること、サービスであれば顧客の満足度が高まるサービスを提供することです。特にサービスの品質は、スピードや正確性、安心して利用できるなどブランドとして良い印象がある要素も重視されています。
製品やサービスの品質を評価する観点の具体例はこちらです。

・製品やサービスが安定的に供給できているか
・顧客のニーズに対し速やかに対応できているか
・顧客の対応でマイナスな行動が発生していないか
・顧客と信頼関係が築かれているか


上記に挙げた評価する観点は企業によって異なるため、自社の製品やサービスの特性を踏まえて検討する必要があります。

業務の品質の向上

普段の業務に手を加えクオリティや付加価値を高めることや、従業員の誰もが能力を発揮し同じように業務を実施することです。
業務の品質の向上を評価する観点の具体例は、こちらです。

・業務手順や判断基準が統一されているか
・ミスや抜け・業務の遅れが発生していないか
・業務が属人化していないか


業務の品質の向上にむけて業務改善すると、結果として顧客の満足度を上げることも可能です。

品質の向上をする際に必要な7つのポイント

品質の向上をする際に必要なポイントとして、以下の7つがあります。

可視化

可視化は、業務の現状を把握し業務全体の流れや問題などを目に見える形にすることです。品質の向上に取り組む前には、業務の現状を正しく把握するようにしましょう。
具体的には、以下の3つについてまとめます。

・品質の向上の対象となる範囲
・品質を形成している要素
・基準となる業務の現状


また、品質の向上を達成した際の目標・ゴールも明確にすることも必要です。

定量化

定量化は、可視化で得た情報をさらに細かく把握するために実施します。この段階で定量化した結果にあわせて品質の向上に計画を立てていくため、可能な限り具体的な数値で表わすことが重要です。
業種や業務内容により項目は異なりますが、情報の定量化に必要な項目は以下のものが挙げられます。

・1ヶ月に発生した案件数
・業務1件あたりの処理対応機関
・業務1件あたりに関わる従業員の人数
・1ヶ月に発生したミスや遅れの件数


定量化を終えたら、最終目標も定量化します。段階を踏んで取り組むことが望ましいため、中間地点の目標設定もするとよいでしょう。

課題化

課題化では、設定した目標と現状の差異を確認し、課題を明確にします。課題を明確にしたら課題の解決策を複数立案し、実行に移します。
解決策は、具体的に業務と照らし合わせることが重要です。計画が細かく正確に立案でき、スムーズに実行できるようになります。個々の従業員に割り振れるくらいに、細分化を意識しましょう。

実践化

実践化とは、立案した計画に沿って品質の向上に取り組んでいくことです。計画を進める上で、初めに立案した計画通りに進むことは少なく、必ずどこかでズレが発生します。定期的に目標値や計画の差分を見直し、計画を修正しながら取り組むことが必要です。
初めに設定した基準まで品質が向上できれば、品質の向上はできたと判断できます。しかし、想定した解決策により品質が向上しなければ、設定した課題が間違っている可能性もゼロではありません。課題化から再度見直しをすることがおすすめです。

標準化

標準化とは、その時点で1番優れた方法を決め、誰もが決められた方法に従って業務できるようにすることです。1つの業務を複数人で担当する場合、個々の思うままに業務に取り組んでしまうことで品質が統一されなくなってしまいます。
そのため、品質の向上には業務を標準化することが必要です。業務を標準化することで、業務の成果のバラつきも少なくなるため品質の向上につながります。

自動化

自動化とは、これまで人が実施していた業務を、コンピューターなどのIT技術を活用し自動で業務を実施できるようにすることです。人が業務に取り組むとなると、同じ業務を実施していても個人のスキルの違いによって、品質に差が開いてしまいます。
そこで、自動化可能な業務を洗い出し自動化を進めることで、品質の差がみられなくなります。また、一部業務を自動化することで人が実施する業務が限られ、限られた業務に集中して取り組めるため、結果として品質の向上が可能です。

定着化

品質の向上への取り組みは、一度実施しただけですぐに結果が現れるものではありません。一度品質の向上ができたとしても、サービスや事業の状況によって適切な方法が少しずつ変わる可能性があります。評価・分析をし、改善すべきポイントがないか見つけるようにしましょう。
このようにPDCAのサイクルを回し繰り返していくことで、品質の向上への適切な取り組みが見えてきます。適切な取り組みが見えてきたら、その取り組みを定着させるための方法について検討が必要です。

品質の向上をする際に意識することは3つ

品質の向上をする際には、以下の3つを意識するとよいでしょう。

目的とゴールを明確にする

品質の向上に取り組む前に、取り組む目的と取り組み後のゴールを明確にします。全体の品質を上げるのか、個人や部署のレベルを上げるのか、目的やゴールは様々な観点から考えられます。何をもって品質の向上と判断するのか、具体的にするようにしましょう。
具体的にできたら、取り組みに関わる従業員に共有します。従業員間で目的とゴールが共有できることで、同じ認識を持つことができ、品質の向上への取り組みをスムーズに進めることが可能です。

継続的な品質の見直しと改善をする

品質を向上させることは重要ですが、最良なのは継続して品質の向上に取り組んでいることです。品質が向上できたら解決となるわけではありません。常により良い品質を目指していくために、継続的に品質の見直しと改善をするようにしましょう。
解決策を実施し結果が出たら、また新たな課題を洗い出し改善するといったサイクルを繰り返していきます。また、事業状況により変わりますが、最低でも半年~1年に1度のペースで品質の見直しと改善を継続することがおすすめです。

ツールを活用する

品質の向上に取り組むには、ツールの活用も1つの方法です。ツールといってもその種類は幅広く、業務を標準化させるためにマニュアル作成ツールを使用、品質のバラつきが出ないように自動化ツールを使用などが挙げられます。
また、ツールの活用により人為的ミスが減ったり、時間の余裕が生まれたりもするため、従業員の能力を最大限に引き出すことが可能です。その結果、品質の向上につなげられます。

品質の向上に取り組んだ企業事例

ここでは、品質の向上に取り組んだ3つの企業事例について紹介します。

大同工業株式会社

大同工業株式会社では、品質向上に向けて以下3つの取り組みをしています。

・QC発表大会・品質講演会
・品質道場
・品質管理実務マニュアル


それぞれの取り組みの詳細については、以下の通りです。
 

QC発表大会・品質講演会

グループ会社も含めた各部門にて、品質改善活動の活性化や好事例を他部署への展開を目的とし社内QC発表会を定期的に実施しています。この取り組みにより、他部門での活動内容を共有でき、自部門の改善にて新たな気づきを得るきっかけを作ることが可能です。

他にも、品質改善活動のさらなる向上や必要な知識の習得のため、外部講師を招いた品質後援会も定期的に開催しています。
 

品質道場

日常の業務における品質レベルの向上や技能伝承を目的とし、経験豊富なベテラン従業員が行う教育の場を「品質道場」とし定期的に開催しています。若手従業員への伝承を通し、将来に向けた品質レベルの維持・向上が目的です。
 

品質管理実務マニュアル

全従業員が、品質の基礎的な知識の共有、品質維持・向上に向けて取り組めるように「品質管理実務マニュアル」を独自に作成しています。間接部門の従業員も含め、常時携帯するようにしています。

富士フイルムマニュファクチャリング株式会社

富士フイルムマニュファクチャリング株式会社では、紙の帳票をデータ化する時に生じる入力の手間と時間により、品質の面に大きな影響を与えていました。
紙の帳票を使用すると、データ分析するために回収・入力・集計という手順が必要であり、最終的な集計結果を得て原因調査し対策を打つまでに2~3日かかります。そのため、対策を打つまでの間も原因がわからないまま問題がある状態で生産が続いていました。

そこで、ツールを導入したことにより問題が発生した時の原因調査から対策を打つまでのタイムラグが減り、リアルタイムに問題を把握し即座に対策を打ち、改善ができるようになったのです。
その結果、不良品を作り続けない仕組みが実現しました。

新日本工機株式会社

新日本工機株式会社では、具体的な作業が作業者任せなことから作業が標準化できておらず、作業者や管理者ごとに認識が異なっていました。
また、ベテランの従業員に依存する作業や工程もあり、指導者の教え方にもバラつきがあるといった問題を抱えていました。

そこで、マニュアル作成ツールを導入したことにより、ベテラン従業員からの技術伝承が進められるようになり、標準化された作業を正確・簡単に伝えることが可能となったのです。ベテランの従業員への依存度も減り、品質の向上に取り組めるようになりました。
他にも、人材育成の取り組みとして「教育道場」が行われています。現場作業者だけではなく、設計技術者にも現場作業を体験してもらうという取り組みです。設計技術者の将来的な品質の向上に役立つことが期待されています。

品質の向上に取り組む際に起こり得る5つの課題

品質の向上に取り組む際には、以下の5つの課題が起こり得ます。

コスト削減との兼ね合い

品質の向上に取り組むとなると、コスト削減との兼ね合いが課題として起こる可能性が高くなります。業務を進めるにあたり、コストをできるだけ削減したいと考える企業は少なくありません。しかし、過度なコスト削減は品質が落ちやすいという特徴があります。
品質の向上はしたいけどコストをできるだけ抑えるといった、コスト効率の健全化は企業にとって大きな課題です。そのため、品質を向上させながらも、コストを削減する部分と削減しない部分の見極めとバランスが大切になります。

労働環境の改善

品質の向上と共に起こり得る課題として、労働環境の改善が挙げられます。特定の従業員に業務の偏りがあると、品質の低下を招くことも少なくありません。特に、労働環境が見えない職場だと、このようなことが起きる可能性が高いです。
しかし、このような働きにくい労働環境であると、品質の向上よりも目の前の業務を実施していくことが精一杯となります。品質の向上に取り組む際には、労働環境の改善も課題として上がってくるため業務の見える化をし、偏りのない労働環境に整備することが必要です。

管理体制の整備

業務に関する管理体制が整備されていないと、現場の課題や全体像を的確に把握できません。品質の向上に取り組むための計画を立てても、適切な計画内容とならず何度も計画を立て直す必要が出てきます。
また、従業員間で情報共有ができず、トラブルが発生した際に迅速で正確な対応もできなくなります。品質の向上に取り組む際は、業務に関する管理体制も整備するようにしましょう。

生産性の向上

品質の向上に取り組む際に起こりがちな課題が、生産性の向上です。生産性を意識せずに品質の向上に取り組んでしまうと、生産性が低下しコストの増大など問題が発生しやすくなります。その結果、品質の向上が難しくなってしまいます。
生産性の向上と品質向上は、密接な関係性があるため同時に進めていかないと意味がありません。品質の向上に取り組む際には、片方のみ優先するのではなく、両方とも意識しながら取り組みましょう。

業務の属人化

少子高齢化が進んでいる現代では、労働人口の減少も深刻な問題です。労働人口の減少は現場の人手不足を招き、目の前の業務に手一杯になりやすく業務が属人化しやすい傾向となります。
業務が属人化すると、特定の従業員に業務が依存するため、その従業員が退職や異動した場合に品質低下を招く可能性がゼロではありません。新たな人材が配置されたとしても、前任者同様の品質を提供できるとは限らないため、品質の向上に取り組むためには業務の属人化を防ぐことが重要です。

まとめ

今回は、品質の向上をする際に必要なポイントや実際の企業事例などについて紹介しました。品質の向上をする際は、紹介したポイントや起こり得る課題などを意識しながら取り組むことが重要です。
また、実際の企業事例はイメージがつきやすく参考になる箇所もあるかと思います。これから品質の向上に取り組もうとしている方は、取り組み内容を参考にしながら品質の向上に取り組んでみてください。

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