職場においてムダな仕事があるなと感じたことはありませんか?ムダな仕事があると業務効率や生産性の低下にもつながりかねません。職場のムダを解決しながら仕事を行っていくことで、業務効率や生産性を上げることが可能です。
今回は、職場のムダと言われる仕事の例と解決への取り組み方法、実施時の注意点まで解説していきます。職場のムダに悩んでおり解決策を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
職場のムダの例と解決策8選
職場のムダと言われてもイメージがわかない方も多いかもしれません。具体的にどのような職場のムダがあるのか、例と解決策を見ていきましょう。
単純作業を繰り返している
職場のムダの例:単純な作業を繰り返している、重複作業が生じている
上記のような作業内容は、作業量が多いという特徴があります。そのため、担当者しか作業方法や管理などを理解しておらず作業が属人化していることも多いです。
担当者が不在になった場合、作業が止まってしまうことや引き継ぎがスムーズに行えないといったリスクがあります。
単純な作業は自動化することでムダを減らすことにつながります。自動化は、作業が止まるリスクを減らすだけではなく、人員のコスト削減にもつながります。自動化する主な方法としては、以下の4つです。
・マクロの活用
・RPAツールの利用
・AIツールの利用
・プログラミングによりシステム構築
上記のような方法も活用することで、作業効率は一気に上がるだけではなく作業時間を短縮しミスの予防にも効果的です。
業務内容をしっかり把握していない
職場のムダの例:業務内容が曖昧、手順やルールを正しく理解しておらず業務効率が悪い
業務内容や手順、ルールが正しく共有されていないと、業務時間が増加し職場においてムダが生じやすくなります。対策として業務マニュアルの作成をするようにしましょう。
業務マニュアルがあることにより、業務内容や手順、ルールを正しく共有することが可能です。また、業務時間の短縮につながり業務効率を上げることにもつながります。
業務マニュアルを作成する上で大切なのは、誰が読んでも理解できる内容にし、同じ結果を得られるようにすることです。そのため、理解しやすい文面や図やイラストを用いるなど工夫するようにしましょう。
社内の情報が分散している
職場のムダの例:社内情報が分散している、情報が古いままである
社内に複数の部署やチームが存在している場合、情報共有が十分に行われておらず別々の部署やチーム間で同じ作業をする可能性があります。そのような職場のムダを解消するために社内情報の管理をシステムなどを通して一本化することが大切です。
職場のムダを減らすだけではなく、最新情報を誰でも確認することができるようになります。
使用する書式がバラバラ
職場のムダの例:書類ごとに書式がバラバラのため作業負担が増える、重要事項を見落とす
書類ごとに書式がバラバラであると、記入者の作業負担が増えてしまいます。他にも、マニュアルや資料ごとに書式が変わってしまうと、読み手にとって読みにくくなり理解が深まらない可能性、さらに重要事項を見落とす可能性もゼロではありません。
職場のムダを省くためには、社内で使用する書類などの書式は統一することがおすすめです。特にマニュアルや資料の場合は、フォントの種類や大きさなど細かい部分まで統一することで、わざわざ作成のたびに一から書式を考えるといったムダを省くことができます。
承認に時間がかかる
職場のムダの例:意思決定が遅れる、承認・申請に時間がかかる
意思決定や承認・申請は対面で対応しなければいけない場合、承認に時間がかかってしまいます。時間がかかることは、意思決定の遅れにもつながります。
しかし、専用のツールを利用することで、対面で対応する必要がなくなるだけではなく、場所やデバイスを問わずに対応することが可能にもなります。
通勤にかなりの時間を費やしている
職場のムダの例:通勤時間など移動に時間がかかる、ムダな雑談に時間を奪われる
通勤時間にかなりの時間を費やしている場合、リモートワークに切り替えることでムダを省くことができます。通勤時間の有効活用ができ、結果として業務効率が上がるだけではなく、職場のコスト削減にもつながります。
また、出社して仕事をするとムダな雑談に時間を奪われると感じる方もゼロではありません。ちょっとした雑談は気分転換や新しいアイディアを生み出すきっかけにもなりますが、時と場合によっては相手の時間を奪うことになります。
そこで、リモートワーク環境を整備することで、相手の時間を奪うといったリスクを出社時に比べると下げることが可能です。
外注できる業務を社内で実施する
職場のムダの例:作業内容によっては人材や時間をとられてしまう
昨今人手不足が叫ばれていますが、限られた人手で業務を円滑に行うためには業務の一部を外注することも必要です。特にバックオフィス業務などは、社内で行うよりもコストが削減できる場合もあります。
社内の人材は利益や業績に直結するようなコア業務に専念してもらうことで、職場のムダを省き生産性の向上にもつなげることが可能です。
会議時間が長い
職場のムダ例:会議時間が長い
会議は意思決定する場であるため、本来であれば会議時間が長くなることはありません。しかし、会議時間が長くなる原因としては、以下のようなことが挙げられます。
・時間が定められていない
・時間が守られていない
・会議の目的が明確に決まっていない
・資料が多い
会議時間が長くなることは、職場のムダの1つです。事前に資料や議題を共有しておくことや、参加者を絞ることにより短い時間でも有意義な会議を行うことができます。
職場のムダが増える4つの理由
職場のムダが増える理由は、こちらの4つです。
組織形態が縦型に細分化されている
組織形態が縦型に細分化されていると、各部署・チーム間で連携が取りにくくなります。そして、連携が取りにくいだけではなく、情報共有やコミュニケーションが難しい場面が発生する可能性もゼロではありません。結果として、ムダな作業が増えてしまいます。
さらに、作業効率や生産性の低下にもつながる可能性が高く、職場のムダが増えるきっかけにもつながります。
部署間で情報共有が不足している
部署間での情報共有が不足していると、複数の部署で同じ作業を行ってしまう可能性が出てきます。同じ作業を行ってしまうと、時間や労力がムダになってしまいます。
他にも、なかなか解決できなかった問題について、他の部署の情報を活用すればすぐに解決できたということも起きかねません。部署間で情報共有が不足すると、ムダな作業を増やしてしまうきっかけとなります。
業務の見直しや改善をせず継続している
業務の見直しや改善をせず、従来の方法を盲目的に継続してしまうことは、職場のムダを増やすことにつながります。業界内の変化や技術の進化に対応するためには、業務の見直しと改善を繰り返し変化させていくことが必要です。
また、盲目的に業務を継続しないように、定期的に業務の見直しや改善をする機会を設けることもおすすめです。
ツールの利用が適切に行われていない
ツールの利用が適切に行われていないと、業務効率化するきっかけを逃してしまいます。その結果、職場のムダを増やす要因にもつながりかねません。
ツールを適切に利用できることで、ツールに頼る部分と直接従業員が作業する業務の見直しにもつながり、職場のムダを減らすことにもつながります。
省いてはいけないムダ5選
職場のムダは省くことで業務効率化にもつながりますが、中には省いてはいけないムダもあります。
従業員間のコミュニケーション
ムダな雑談は相手の時間を奪うリスクがありますが、適切なコミュニケーションをとることで、新しいアイディアや解決策などが生まれるきっかけにもなります。
ムダな雑談と捉えられてしまうような過度のコミュニケーションや少なすぎるコミュニケーションは避け、生産性を高めるために行うジャストコミュニケーションを意識するようにしましょう。
ジャストコミュニケーションをとるためには、以下のポイントに注意します。
・目的を明確する
・相手の持ち時間、知識や理解度に合わせて調整する
・相手の自発的な行動を促す内容を伝える
・重要度・緊急度を踏まえタイミングが適切であるか
・必要な情報が不足なく伝えられる
・正確でわかりやすい内容か
情報の共有
情報の共有ができないと、業務においてムダな時間が生まれたり、特定の従業員しか行えなくなったりする可能性が出てきます。
さらに、各部署・チーム間で情報共有を疎かにしてしまうと、結果として業務効率の悪化にもつながりかねません。情報の共有は省いてはいけないものであるため、職場のムダとしては捉えないようにしましょう。
業務効率化にむけて対策を考えること
効率化を図るためには、「慣れたやり方が1番早い」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、現状維持のままでいると業務効率化にむけた根本的な改善につながりません。
現状のやり方が良いとしても、「もっと改善できないか」「他によい方法はないか」と様々な視点に立ち対策を考えることが重要です。このように考える時間は、職場のムダには当たらないため、業務効率化にむけて取り組むようにしましょう。
適切なトレーニングと教育
トレーニングや教育といった意味を持つ研修について、「時間を割くのがもったいない」「意味があるのか?」と感じる方も少なくありません。内容によっては職場のムダの1つと考える方もいるかもしれませんが、適切なトレーニングと教育を受けることで、業務に活かせる知識や実践的なスキルを身に着けることができます。
身に着けたスキルは業務に十分に活かすことができますし、最終的には業務効率化にもつながります。そのため、適切なトレーニングと教育はしっかり行いましょう。
定期的にチェックする体制
業務を早く終わらせたいという気持ちからチェックを手抜きしてしまうと、ミスや不正の発生につながります。そのため、定期的にチェックする体制は省いてはいけません。
定期的にチェックする体制を整えるためには、業務フローの中にチェック機能を組み込んだり、担当者を変えてチェックしたりといった方法が挙げられます。また、チェックリストも定期的に更新するようにしましょう。
職場のムダ解決には業務効率化がおすすめ
職場のムダは、不必要な作業につながり従業員の負担増加にもなりかねません。従業員の負担増加は、生産性の低下など様々なデメリットを生みます。
そこで、業務効率化することで従業員の負担を軽減でき、生産性の向上につなげることが可能です。結果として、職場のムダ解決には業務効率化がおすすめとも言えます。
業務効率化に向けた4つの手順
職場のムダ解決には業務効率化がおすすめです。まずは以下の手順に沿って動き、自社の課題や解決策を考えてみましょう。
①業務内容を把握し課題や問題点を明確にする
まず、業務内容を把握します。業務内容を洗い出し、関わる担当部署や担当者、業務の工程、必要なスキルなどをまとめ整理します。業務内容を細かく把握することで、課題や問題点を明確にすることが可能です。
課題や問題点については、業務内容を洗い出すだけではなくフローチャートを活用したり、現場の従業員の声を聞き取る方法も効果的です。ここで、課題や問題点が明確になることで、具体的な解決策を提案しやすくなります。
②業務効率化が実現可能か判断する
次に、明確にした課題や問題点を業務効率化できるのか、実際に実現可能なのか判断します。しかし、業務効率化が実現可能であると判断した課題や問題点を一気に実施しようとすると、過度な負担や混乱が生じる可能性もゼロではありません。まずは、課題や問題点の優先順位を付けるようにしましょう。
また、実現可能か判断する際には各部署・チーム間との関係も考慮しながら、判断することが大切です。
③実施方法を決定する
業務効率化が実現可能と判断されたら、具体的な実施方法について検討します。ツールを導入するのか、一部業務を外注するのかなど、どのような実施方法であれば業務効率化につながるのか方法を考えます。
実施方法が決まった後、実際に業務効率化に取り組みましょう。
④結果を確認し振り返りをする
実際に業務効率化に取り組んだ後は、結果を確認し振り返りをします。どのくらい効果が出たのか、従業員にどのくらい浸透したのかなど確認し、状況に合わせながら細かく改善を繰り返していくことが重要です。
結果については具体的な数値を用いて示し、達成率も確認できると従業員のモチベーションを維持しながら、業務効率化を進めることができます。また、定期的に結果の確認・振り返りをしていくことで、より業務効率化の効果を高めることが可能です。
職場のムダ解決により得られる5つの効果
職場のムダを解決すると、このような効果が期待できます。
生産性や品質の向上につながる
職場のムダが解決されると、作業にかかる時間を短くでき、生産性の向上に繋がります。さらに、作業時間が短くなると人的余裕も出てくるため、品質の向上にもつなげることが可能です。
人的な余裕も出ると今まで取り組めなかった新たな事業にも着手できるようになります。新たなチャレンジや取り組みをすることによって、また違った利益を生み出す機会を得ることにもつなげられ、新たな生産性を生むことになるでしょう。
コスト削減につながる
職場のムダが解決され得られる効果の中で1番大きいと言われているのが、コスト削減です。職場のムダがなくなることで、業務にかかる時間を短くでき、その結果残業時間の削減につながります。
残業が減ると事務所の光熱費削減も期待できます。
従業員のモチベーションアップになる
職場のムダの解決は、企業にしかメリットがないと思われがちですが、従業員にも良い効果をもたらします。職場のムダをなくすことで、業務が就労時間内で終わり定時で帰宅することができるようになります。
残業が不要となることで、従業員は心と身体にゆとりが出やすくなります。その結果、業務に対してのモチベーションアップにもつながるのです。
働き方改革になる
職場のムダを解決する際、課題や解決方法に至るまで洗い出しを行います。ペーパーレスに切り替える、出退勤ツールを導入するなどして改善を行うことは働き方改革にもつながります。
働きやすい環境を整えることで、テレワークやフレックス勤務、時短勤務など多様な働き方にも対応可能となります。職場のムダを改善することで、従業員が働きやすい環境となり離職率の防止にも期待ができるのです。
優秀な人材が確保できる
職場のムダを解決し、働き方改革を行うことは社内環境の改善にもつながります。従業員の待遇が良くなることは、離職率の低下、優秀な人材を確保する効果も得られます。
また、優秀な人材が確保できるようになるということは、労働者から選ばれる企業になるということです。その結果、企業としての質の向上にもつながるといった効果にも期待できるようになります。
職場のムダを解決する時の5つのポイント
職場のムダを解決する時は、こちらの5つに注意しましょう。
1つずつ丁寧にムダを解決する
一気にムダをなくしたい方もいらっしゃるかもしれませんが、複数のムダを同時に解決することはおすすめできません。複数のムダを同時に行うことは、マンパワーが必要となり業務と並行して行うことは従業員の負担が増えることにもつながります。
そのためまずは、優先順位をつけて1つずつ丁寧に課題と向き合うようにしましょう。実際に解決策を実行する従業員の能力や労力に合わせて、確実に実行することが大切です。
従業員が使用しやすいツールを導入する
職場のムダを解決するために、新しいツールを導入するかもしれません。ツールを導入する際は、従業員が使用しやすいものかをしっかり見極める必要があります。従業員が使用しにくいツールを導入してしまうと、職場のムダを解決できずに新たなムダを生むことになるかもしれません。
ツールを導入する前に、まず従業員にヒアリングを行う。お試しプランを活用するなど段階を踏んで行う必要があります。実際に使用し、本当に活用できるのか、吟味してツールを選ぶようにしましょう。
職場のムダな業務を正しく見極める
職場のムダな業務とはどんな業務であるのか、個々によって見極めの判断や考え方が違う可能性があります。自分はムダだと思っていない業務でも他の人にとってはムダと思うかもしれません。
職場のムダな業務を洗い出す時には、正しく見極めることが必要です。個人の意見ではなく、職場環境や業務全体を俯瞰して見極めるようにしましょう。併せて、以下の3つの視点で見極めることもおすすめです。
・作業動作の視点
・作業環境の視点
・生産の仕組みという視点
職場全体で解決策の情報共有をする
職場のムダの解決策が決まったら、その情報は職場全体で共有するようにしましょう。職場全体で情報共有ができないと、解決策にむけた足並みが揃わなくなってしまいます。場合によっては、情報共有がされておらず、解決策について把握できていないといったことも起こりかねません。
職場のムダ解決は組織全体で取り組んでいく必要があるため、情報共有は欠かさないようにしましょう。
ミスを報告しやすい環境づくりをする
職場のムダを解決していくにあたって、業務上のミスを報告しやすい環境づくりも大切です。業務上起こりやすいミスを放置することは、職場のムダを増やすことにもつながりかねません。
ミスを表面化させ繰り返さないようにすることで、業務効率化につながり職場のムダを減らすことにもつながります。
まとめ
今回は、職場のムダと言われる仕事の例と解決への取り組み方法、実施時の注意点まで解説しました。職場のムダを防ぐためには、業務効率化を進めながら解決策に取り組んでいくことをおすすめします。
また、なかには省いてはいけないムダもあります。解決策に取り組んでいく場合は、職場のムダの内容を見極めた上で、生産性の向上やコスト削減などといった様々な効果につなげていきましょう。