業務マニュアル作成のコツとは?作成後の運用ポイントについても併せて解説
業務をするにあたって業務マニュアルは必要と言われていますが、なぜ必要なのかその理由を理解している方は少ないのではないでしょうか。業務マニュアルが必要な理由を知った上で作成すると、継続して使用されやすい業務マニュアルの作成につながります。
この記事では、業務マニュアルが必要な理由や作成のコツ、作成後の運用ポイントなどについて解説します。業務マニュアルの作成から運用までする方やこれから検討している方は、ぜひ参考にしてください。
業務マニュアルに記載する9つの項目
業務マニュアルに記載する項目として、以下の9つが挙げられます。
業務の全体像
特に新人向けのマニュアルには、業務の全体像の記載が重要です。与えられる業務は1つと限らず複数の業務をこなす必要があり、業務の全体像を知ると細かい手順についてもイメージや理解がしやすくなります。
全体像を理解した上で業務すると、効率的に業務を進められるだけではなく周囲の状況や先を見越した行動にもつなげることが可能です。業務を円滑に進めていくためにも、まず業務の全体像を理解してもらうようにしましょう。
業務を実施する目的
業務マニュアルには、それぞれの業務の名称や実施する目的の記載も必要です。業務の名称がわかると、業務を実施した結果もイメージしながら作業がしやすくなります。また、目的も記載されていると臨機応変な対応が求められる時に目的に沿って対応が可能です。
逆に、目的が記載されておらず理解しないまま業務すると、間違った対応に繋がりかねません。
業務への取り組み方
業務の目的や目標の深い理解は、入社や異動したばかりの従業員には難しいことです。そのため、業務の考え方や取り組み方の基準も記載し作成します。具体的には、業務のモットーなどを記載します。
誰が読んでも理解できる業務の目的や目標が記載されていると、より業務全体のイメージができるようになります。
社内用語や専門用語の解説
社内のみで使う独自の用語や所属する業界によっては独自の専門用語があったりします。
このような用語は、入社や異動したばかりの従業員は理解に時間がかかります。そのため、社内用語や専門用語の解説も記載しておくとよいでしょう。
必要なツールの使用方法
業務を実施するにあたって、必要なツールが業務ごとに違うこともあります。一般的なツールなどであれば記載する必要性が低いかもしれませんが、専門性のあるツールだと操作を覚えるのに時間を要するため、使用方法を記載することがおすすめです。
使用方法が記載されていると、誰が担当しても業務が円滑に進められます。
具体的な業務の手順
具体的な業務の手順も必要な項目です。業務内容によっては、手順が入れ替わってしまうと手間が増え、作業負担が大きくなることもあります。そのため、業務の手順は具体的に示しておくようにしましょう。
具体的な業務手順が記載されていると、誰が担当しても業務を進めることが可能です。業務の属人化予防にもつながるため、具体的な業務の手順も記載が必要になります。
注意事項
事故やケガにつながりかねない業務においても注意事項の記載は必要です。緊急時やトラブル発生時の連絡先なども合わせて記載しておきましょう。
注意事項を記載する時には、文字の大きさや色を変えたりなど目立つような工夫がおすすめです。
資料の保管場所や責任者の連絡先
紙資料であれば保管場所はどこなのか、データについては保存場所のクラウドやファイルはどこなのか記載しておくことで、保管場所が統一され迷うことなく探せます。
また、業務の責任者の連絡先など頻繁に問い合わせをする連絡先についても、まとめて記載するとよいでしょう。
業務マニュアルを確認する機会
業務に慣れていない従業員は、業務マニュアルを確認する頻度が多くなります。初めのうちは、確認する機会も迷ってしまうかもしれません。
そのため、確認する機会についてもタイトルなどに併せて記載すると、どれを確認すればよいのか迷うことも少なくなります。
業務マニュアル作成を成功させる6つのポイント
業務マニュアル作成を成功させるために必要な6つのポイントは、以下の通りです。
役割や業務内容を明確にし作成する
1つ目は、役割や業務内容を明確にし作成することです。業務マニュアルは、担当者の経験やスキルに左右されずに業務を進められるように作成することが求められています。そのため、業務内容を明確にし作成する必要があります。
そもそも業務マニュアルは、使用すれば誰でも問題なく業務ができるという役割も担っています。
役割や業務内容を明確にしないまま作成してしまうと、特定の従業員にしか使用できないマニュアルにもなってしまうため、役割や業務内容を明確にし作成することが大切です。
作成を担当する部署を事前に決定する
2つ目は、作成を担当する部署を事前に決定することです。業務マニュアルを1人で作成するのは難しく、複数の担当者と共に作成するのが好ましいと言われています。
しかし、事前に担当する部署を決定しないと責任や権限の所在もあいまいとなり、作成が上手く進まないおそれもあります。
また、複数の部署にまたがって作成するのも同様の理由にておすすめできません。必ず作成を担当する部署を事前に決定してから、マニュアル作成に必要な段取りを決めていきましょう。
現場の意見を参考にし記載する内容の優先順位を決める
3つ目は、現場の意見を参考にし記載する内容の優先順位を決めることです。実際に業務する現場の従業員が業務マニュアルを使用する機会が多くなります。
そのため、現場の意見を参考にした内容でないと、業務マニュアルの定着につながらない場合も少なくありません。
また、現場の状況と業務マニュアルの内容に相違が出たり、間違った情報を記載したりする可能性もあります。併せて、記載する内容の優先順位も現場の意見を参考にし決めると、業務マニュアルの定着につなげられます。
作成者の主観だけに基づいて作成しないように注意しましょう。
レイアウトやデザインを工夫する
4つ目は、レイアウトやデザインを工夫することです。テキストのみは、読み手にストレスを与えるだけではなく、意味が正しく伝わらないことも考えられます。
レイアウトやデザインを使用して、視覚的にわかりやすい業務マニュアルを作ると内容も理解しやすくなります。
読み手が幅広い端末で使用できるようにする
5つ目は、読み手が幅広い端末で使用できるようにすることです。業務マニュアルを業務中に確認する場面も少なくありません。紙媒体のマニュアルしかないと、業務中にマニュアルを見るのが不便であると感じるかもしれません。
PCやタブレットなど読み手が幅広い端末で使用できるようにすると、業務マニュアルが使用しやすくなり、結果として利用率を上げ定着にもつなげることも可能です。
作成する時には、読み手が利用するあらゆる場面を想定し、幅広い端末で使用できるようにするとよいでしょう。
状況に応じて外部委託も検討する
6つ目は、状況に応じて外部委託も検討することです。業務マニュアル作成時は、社内にて担当者を決める必要があります。
作成に専念できる環境であれば負担は少ないかもしれませんが、通常の業務と並行し作成が必要な場面もゼロではありません。
作成者の負担が大きくなると、予定日までにマニュアルが完成しなかったり一定の品質のものが作成できない可能性も出てきます。社内のマニュアル作成にかけられる状況を把握し、状況に応じて外部委託も検討するとよいでしょう。
業務マニュアルの主な作成方法は3つ
業務マニュアルの主な作成方法は、以下の3つがあります。
マニュアル作成ツールを使用する
1つ目は、マニュアル作成ツールです。ツールを使用するメリットとして、マニュアル作成に不慣れな人でも一定品質の業務マニュアルが作成できます。
また、直感的に操作できるツールも多く、特定の従業員に偏らず作成に携わることが可能です。
しかし、ツールを使用するとなると多くのツールはコストが発生します。他にもツールの種類が多く、機能で選んでしまい目的に合わないツールを選んでしまう可能性もゼロではありません。
ツールを使用し作成する時には、コストや目的に合ったツール選びをするようにしましょう。
テンプレートを使用し作成する
2つ目は、テンプレートの使用です。テンプレートを使用するメリットは、無料でダウンロードできるものが多くコスト負担が少ないことです。
また、すでに必要項目が設定されているため、項目に沿って作成するだけで業務マニュアルが完成されます。
テンプレートを使用する前に、カスタマイズができるか、目的に合ったテンプレートであるか確認するようにしましょう。
作成目的や業務内容によってはテンプレートと合わない可能性もあるため、目的に合ったテンプレートを探すことやカスタマイズができるテンプレートを選ぶことをおすすめします。
外部委託する
3つ目は外部委託です。ツールやテンプレートを使用しても作成は社内で行わなければいけません。作成に伴う人員コストや担当となった従業員の負担を考えると外部委託するのも選択肢の1つです。
外部委託はコストの負担が大きいものの、長い目で見た時には外部委託した方がコスト削減となるケースもあります。
ツールやテンプレートを選ぶ時の5つのポイント
ツールやテンプレートを選ぶ時には、以下の5つのポイントを意識するとよいでしょう。
作成担当者の負担を軽減できるか
作成担当者の負担を軽減できるツールやテンプレートを選ぶことが重要です。ツールやテンプレートを利用しても、作業工程や操作性が複雑であると作成担当者の負担が増加してしまいます。
そのため、作業工程が少ないもの、直感的に操作がしやすいツールやテンプレートを選ぶようにしましょう。
更新や改訂作業も負担なく行えるか
業務マニュアルは作成して終わりではなく、更新や改訂作業も必要です。そのため、作成だけに重点を当ててツールやテンプレートを選んでしまうと、更新や改訂作業が負担となり継続して業務マニュアルが運用されなくなるおそれもあります。
更新や改訂作業も見据えてツールやテンプレートは選ぶようにしましょう。
幅広い媒体に対応しているか
現場で作業をしながら業務マニュアルを確認したい場面などでは、PCではなくスマートフォンやタブレットなどを通して見る機会が多くなります。
そのため、特定の端末にしか対応していないツールやテンプレートを使用してしまうと、内容が表示されるまで時間がかかったり正しく表示されないなど読み手にストレスを与えてしまいます。使用を検討しているツールが複数の端末に対応しているか確認しましょう。
セキュリティ対策がとられているか
業務マニュアルに記載されている知識やノウハウなどは、企業にとって重要な知的財産です。不正アクセスやサイバー攻撃などにより情報が盗まれてしまうと、企業にとって不利益を講じる可能性が高くなります。
そのため、使用するツールやテンプレートにはしっかりしたセキュリティ対策がとられているのか、併せて確認することがおすすめです。
コスト負担が大きくないか
業務マニュアル作成に使用するツールやテンプレートはコストがかかるものもあります。無料でもサービス内容が充実しているものもありますが、必要な機能が有料のものにしかないことも考えられます。
コスト負担が大きくなりすぎると、会社の収益にも影響を及ぼす可能性もゼロではありません。もし使用したいツールやテンプレートに対しコストをかける必要がある時には、コスト負担が大きくないか必ず確認しましょう。
運用が上手くいかない6つの原因とその対策
業務マニュアルを作成しても、作成後の運用が上手くいかないケースもあります。ここでは、運用が上手くいかない6つの原因とその対策について解説します。
運用フローが構築されていない
業務マニュアル作成後に運用フローが構築されていないと、運用が上手くいかないケースがほとんどです。
業務マニュアルは、作成しただけでは従業員への周知や継続した利用につながりません。業務マニュアル作成後に運用をスムーズに進めるためには、運用フローも構築するようにしましょう。
作成後にマニュアルの見直しがされていない
業務マニュアルは、業務の内容変更などに応じて定期的に内容を見直す必要があります。作成後に内容の見直しをしないまま運用すると、記載内容と現場の状況に違いが出てきます。最新の情報が記載されていないため、マニュアルの意味を持たなくなってしまうのです。
業務マニュアルは作成して終わりではありません。業務内容の変更や情報の追加時など、定期的に見直ししましょう。
読み手となる現場の声が反映されていない
業務マニュアル作成当初は、現場から声が上がらなくても業務マニュアルを運用していくにつれて、記載内容や運用方法について現場から声が上がることもあります。そのため、読み手となる現場の声が反映されていないと、業務マニュアル作成後に運用が上手くいきません。
業務マニュアルを1番使用するのは現場の従業員です。業務マニュアルに対して現場から上がる声は、その都度確認し必要に応じて反映しましょう。
運用担当者に負担がかかっている
業務マニュアルの運用担当者に負担がかかっていると、運用が上手くいかなくなる原因の1つとなります。また、運用担当者が1人であると個人の主観が入るおそれがあり、属人化の発生にもなりかねません。
運用担当者は複数人設定し、業務を分担し効率よく運用するようにしましょう。
変更時に社内で共有できていない
業務マニュアルの内容に変更が生じた際、社内全体に共有せず運用してしまうと変更箇所に気が付かない従業員が出てくる可能性が高いです。変更時には社内全体で必ず共有しましょう。
また、変更箇所がわかるようにチェックをつけるなど工夫することで、継続的な業務マニュアルの運用につながります。
更新や改訂作業に適さないツールやテンプレート
業務マニュアルを継続して運用するには、更新や改訂作業も含まれてきます。そのため、更新や改訂作業に適さないツールやテンプレートを選んでしまうと、更新や改訂作業のために新たなツールやテンプレートが必要になる可能性もゼロではありません。
更新や改訂作業を見越して選ぶことで、マニュアル運用も円滑に行えます。
業務マニュアルが必要な5つの理由
業務マニュアルが必要な理由として、主に以下の5つが挙げられます。
業務にかかる時間を短縮できる
1つ目は、業務にかかる時間を短縮できることです。作業の進め方や注意点などが記載されたものが業務マニュアルです。そのため、業務中に不明点や疑問点が出ても、業務マニュアルを確認すれば解決できるようになります。
また、不要な作業や従業員の負担がないかを浮き彫りにし、業務の実態を把握できるため結果として業務にかかる時間の短縮につなげることができます。
品質の維持や向上につながる
2つ目は、品質の維持や向上につながることです。業務マニュアルを見ながら記載通りに業務すると、誰が業務しても一定の品質維持ができるようになっています。個々のやり方で作業するとスキルや経験値によって品質にバラつきが出るため、品質の維持に業務マニュアルは必要です。
また、業務マニュアルにより不要な作業も減るため、品質の向上にもつながりやすくなります。
業務に伴う知識を共有できる
3つ目は、業務に伴う知識を共有できることです。個々が業務に伴う知識をそれぞれ持っていたとしても、知識が共有できていないと品質にバラつきが出てしまいます。
1人の従業員が知識を抱え込んでしまうのではなく、言語化し業務マニュアルに落とし込まれると、業務に伴う知識を共有しやすくなります。
従業員への教育を効率的にできる
4つ目は、従業員への教育を効率的にできることです。業務マニュアルがない現場で教育するとなると、直接経験者から学ぶ必要が出てきます。直接指導が必要となると教育にかかる時間やコストがかかり、教育担当者や企業にとっても負担がかかる可能性もゼロではありません。
しかし、業務マニュアルがあれば事前に一読してもらうと、教育にかかる時間が短縮でき、従業員への教育を効率的にできるようになります。
業務の属人化防止につながる
5つ目は、業務の属人化防止につながることです。特定の従業員にしかできない業務が発生すると、引き継ぎが上手くいかなかったり担当が不在だと対応困難であったりする問題が生まれます。そのため、業務の属人化は起きないようにすることが必要です。
業務マニュアルを使用すると誰でも業務ができるようになり、特定の従業員に依存することがなくなることから業務の属人化防止につながります。
まとめ
今回は、業務マニュアルが必要な理由や作成後の運用ポイントなどについて解説しました。業務マニュアルは、担当者に依存することなく業務を円滑に進めていくために重要な役割を担っています。
さらに、業務マニュアルは作成して終わりではありません。継続して運用して常に最新の状態を保持することも重要です。この記事を読んで、業務マニュアルの作成から運用に役立ててください。
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