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マニュアルと手順書の違いは何?それぞれの役割や記載例も含め徹底調査

マニュアルと手順書の違いは何?それぞれの役割や記載例も含め徹底調査

2024-08-10 2024-05-25

新しい業務を担当する場合、マニュアルや手順書があると業務がしやすくなり有用です。
ただ、業務の内容や目的によって、マニュアル仕様にした方がよいのか、手順書仕様にした方がよいのかは異なります。では、その違いはどのようなところなのでしょうか。

そこで本記事では、マニュアルと手順書の使い分けや適切な作成手順について詳しく解説します。本記事を理解すると、マニュアルと手順書を用途にわけて正しく使い分けられるとともに、業務の効率化や混乱回避の役に立ちます。

マニュアルと手順書の違い

ともに業務のやり方を伝えるツールですが、マニュアルと手順書の違いは何でしょうか。本章では、マニュアルと手順書の違いを、定義や目的、役割や内容、作成手順に加えて注意点といった様々な観点から解説していきます。

目的の違い

定義と目的からマニュアルと手順書の違いを解説します。
 

マニュアルの目的

マニュアルは、特定の業務やプロセスに関する情報を包括的にまとめた文書です。作業内容や手順がかかれているのは同じですがそれだけでなく、周囲の状況や他の業務との関連性も盛り込まれて作成されます。
マニュアルの目的は、作業者が単に手順を実行するだけでなく、業務全体の概要を理解し、環境や他の業務との関係を把握できるようにすることにあります。

例えば、レストランのオープン手順マニュアルでは、店舗の開店前の準備から、顧客へのサービス提供、閉店時の清掃作業まで、業務全体の流れや関連する業務が記載されます。
これにより、従業員は単なる仕事の手順だけでなく、顧客との接点やチームとの連携、店舗の状況把握など、業務全体の流れを理解し、より効果的に業務を遂行することができます。
 

手順書の目的

特定の業務やプロセスにおける、具体的な作業手順や業務のやり方を示した文書を手順書といいます。
手順書の目的は、作業を安定的かつ効率的に遂行するための基準を与えることです。手順書に明記された手順に従うことで、社員の誰が実行しても業務のばらつきを最小限に抑えることができます。

例えば販売業務に関する手順書がある場合、商品の陳列方法や決済手続きなどが具体的に記載されます。手順書は、定型作業を安定して実行できるように作成され、社員が同じ品質やサービスを提供し、業務のばらつきを最小限に抑えるように作成されます。

役割の違い

役割の違いからマニュアルと手順書の違いを解説します。
 

マニュアルの役割

業務自体の手順や業務の概要を包括的に示すだけでなく、背景や理由も含めて詳細に説明する文書がマニュアルです。
役割は、単純な作業内容だけではなく、作業者に作業の理由や背景を理解させることにあります。作業の前後のプロセスや、業務が影響を与える範囲を意識しながら行動できるように促すのが役割です。

例えば、ウェブサイト更新マニュアルでは、ページの更新手順に加えて、更新がなぜ必要なのかや特定の変更がどのような影響を及ぼすかについても説明されます。
このように、作業者は単に手順を実行するだけでなく、作業の目的や背景を理解し、それに応じた適切な対応を取ることができます。

マニュアルは、作業の直接的な方法だけでなく、その背景や理由を含めた上で作業を行うためのガイドラインになります。より深い理解を得て、効果的かつ効率的に業務を遂行できるようにするのがマニュアルの役目です。
 

手順書の役割

特定の業務や作業における具体的な手順や方法を明確に示します。手順書の役割は、作業を安定的かつ効率的に遂行するための基準を提供することにあります。
手順書を見れば誰でも、均一で一定の水準の作業ができるように作られています。

例えば、レシピの手順書では、材料の準備方法、調理手順、火加減などが明確に示されます。これで、料理を調理する際に手順に従えば、同じ品質の料理を再現することが可能になります。手順書は、作業者が迷うことなく作業を進めるための指針となります。
また、手順書には特定の作業に関連するリスクや注意事項も記載される場合があります。手順書は、作業者が迅速かつ効果的に作業を行うための重要なツールであり、作業の品質向上や安全性確保に貢献します。

記載する内容の違い

記載内容からマニュアルと手順書の違いを解説します。
 

マニュアルの内容

製品の組み立て手順や機器の操作方法といった業務の作業方法やノウハウも記載されますが、加えて業務全体のフローも示されます。さらに、安全規定、トラブルシューティングの方法など、業務に関する包括的な情報が含まれます。
マニュアルは、単純な作業の手順を示すだけでなく概要や業務の背景、その業務を行うに至った経緯や理由なども詳細に説明されています。

例えば、新しい製品の組み立てマニュアルでは、組み立て手順だけでなく、製品の機能や設計思想、それがなぜ必要なのかといった背景情報も提供されます。項目をまとめると以下のような事が記載されます。

・業務を遂行するために前提となる情報(事業方針・事業理念・事業内容・全体のシステム・組織構成・業務で参照される法令など)
・業務の流れを示した情報(注意事項・作業内容のフローチャート・イレギュラー対応など)
・業務の基準になる情報(品質を測る指標・合否基準・目安の時間など)


これにより、作業者は単なる手順の実行だけでなく、製品の目的や背景を理解し、その製品がどのように機能するのかを知ることができます。
 

手順書の内容

マニュアルが作業の概要や背景など広範な情報を提供し、作業者が作業を理解し全体の流れを把握する為の内容だったのに対し、手順書は特定の作業といった狭い範囲に対し深い内容がまとめられています。
手順書の指示通りに作業を進めれば同じレベルの作業が誰でも行えるようになります。

例えば、製品の組み立て手順書では、特定の部品の取り付け方や調整方法、固定方法などの細かい作業手順が詳細に記載されます。これにより、作業者は作業の進め方や仕上がりに深く関わる手順を理解し、適切に作業を行うことができます。

手順書には、作業者が作業を行う上で必要な情報が包括的に記載されています。作業の目的や注意事項、事前準備、手順、作業時間や作業のポイントなどが記載されています。
例えば、経費精算手順書では、経費精算の手続きや必要書類、提出方法などが詳細に説明されます。

まとめると、手順書は具体的な作業手順を示すために詳細に作成され、作業者が確実かつ効率的に作業を行うことを支援します。

作成手順の違い

作成手順からマニュアルと手順書の違いを解説します。
 

マニュアルの作成手順

マニュアルと手順書の作成手順には類似点がありますが、違いがあるのは作成当初の段階です。
マニュアルでは、業務全体の流れをその業務が行われることになった背景から記載し、そのなかで特定の業務がどのような役割を担うのかなども明記します。作業を行う目的や誰が関わるのかなども記載します。

マニュアル作成手順1:マニュアルの対象範囲を決める
目的を明確にし、どの範囲を対象にするかを定めます。経営目標や課題、具体的な成果などを考慮し、読み手が必要な情報を見つけやすくするために、「誰のために」「どんな目的で」作成するかを具体的に決定します。

マニュアル作成手順2:構成(目次)を決める
マニュアルの構成を整理し、項目の抜け漏れを防ぎます。これにより、読みやすく使いやすいマニュアルが作成されます。また、スケジュールを設定し、作業の進行をスムーズにします。

マニュアル作成手順3:内容を記載する
マニュアルの内容を具体的に記述していきます。適切なフォーマットを選択し、社員の実務とマニュアルが一致するように注意します。ヒアリングや観察を通じて、正確な情報を収集して記載します。

マニュアル作成手順4:仮運用をする
マニュアルを小規模な範囲で実際に使用し、使い勝手や必要な情報が漏れていないかを確認します。フィードバックを得ながら、マニュアルの改善を進めます。

マニュアル作成手順5:改善・アップデートをする
マニュアルの定期的な改善とアップデートを行います。業務の変化や現場のフィードバックに基づいて、必要な情報を追加し、マニュアルを常に最新かつ正確なものに保ちます。
 

手順書の作成手順

続いて、手順書ですが、マニュアルの作成手順と異なるのは、手順の1です。
マニュアルは、業務全体の流れなど包括的な部分もとらえて考えていく一方、手順書はもっと掘り下げて特定の業務の内容にフォーカスします。手順の洗い出しでは、効率的で汎用性のある方法を見つけるのがポイントです。

手順書の作成手順1:手順の洗い出しをする
作業者のスキルや経験に関係なく、同じ方法で作業を行えるようにするため、業務に関係する必要な手順を全て洗い出します。作業中にメモを取ったり、社員にヒアリングをすることで、抜け漏れを防ぎます。

手順書の作成手順2:構成(目次)を設定する
工程や注意事項、判断基準、補足事項などを整理し、時系列に沿って記載していきます。準備物がある場合も記載します。

手順書の作成手順3:内容を記載する
作業を洗い出し、校正を決めたら実際に手順書を完成させます。視覚的にわかりやすくするために、イラストや表、写真などを挿入するのも効果的です。

手順書の作成手順4:仮運用をする
少数の人数だけでなく、作業経験のある人や初心者にも手順書のみで作業が可能かどうかを確認します。その結果を受けて、必要に応じて修正や再検討を行います。

手順書の作成手順5:改善・アップデートをする
業務内容の変化や新しい商品やサービスの登場に合わせ、必要に応じて手順書を修正・改善します。この作業を行う事で、業務品質の向上や新人の育成に役立つ手順書になります。

注意すべき点の違い

作成時に注意すべき点から、マニュアルと手順書の違いを解説します。
 

マニュアル作成の注意点

マニュアルと手順書は、どちらも組織内の業務やプロセスを効率的に遂行するための重要な文書です。しかし、それぞれの目的や特徴によって、作成時に注意すべき点は異なります。

まず、マニュアルは広範囲な業務やプロセスを網羅的に記述します。業務の背景や目的、基本的な原則など、作業を行う上での背景情報や概念までも提供される文章です。
マニュアルは、読み手が作業の背景や目的を理解し、必要な手順を実行するためのガイドとして機能します。そのため、マニュアルはより包括的で理解を促進する情報をもりこみ、作業の意図や目的が理解できるように作られることが求められます。
その結果、読み手は作業の文脈を理解し、より意味のある作業を行うことができるようになります。

また、マニュアルは構造化された情報を提供し、読み手が必要な情報を素早く見つけることができるようにすることが重要です。マニュアルは、それによって業務が円滑に進むようにするツールなので、使いやすいことは大前提です。
さらに、マニュアルは一般的な業務やプロセスに対して適用されるため、読み手のニーズやレベルに合わせて作られる必要があります。
最後に、マニュアルは定期的に改訂や更新が行われることが一般的であり、組織や業務の変化に適応する必要があります。
 

手順書作成の注意点

一方、手順書は特定の作業やタスクの手順を具体的に示したものであり、作業者が実際に作業を行う際の手引きとして利用されます。手順書は具体的かつ実行可能な手順を示すことが重要です。
手順書は特定の作業やタスクの手順を具体的に示すため、背景情報や説明は最小限に抑えられます。あくまでも、手順書は作業者が迷わずに作業を進められるよう、明確で簡潔な手順を提供することが求められます。
最後に、手順書は作業の手順が変更された場合や新しい手順が追加された場合にのみ更新されるため、頻繁な改訂が必要とされることは基本的にありません。

マニュアルと手順書は共に業務の手順を説明する文章ですが、それぞれ異なる目的や特徴を持っているため注意すべき点も異なります。それぞれの特性を理解し注意点をふまえて、適切に使うことが重要です。
 

マニュアル・手順書を作成する時に共通するポイント

これまではマニュアルと手順書それぞれの違いを示してきましたが、本章ではマニュアルや手順書を作成するときに共通するポイントを解説していきます。

ユーザーのイメージを明確にもつ

マニュアルでも手順書でも、作成時にユーザーイメージを明確にすることは重要です。作成する文書の対象読者が誰なのかを明確にし、その読み手がどのような知識や経験を持っているのかを把握することが必要です。
そうすれば、ユーザーに合った適切な言葉や表現を選び、読者が理解しやすい形式で情報を提供することができます。ユーザーのイメージを明確に持つことは、文書の効果的な伝達と読者の満足度向上につながります。

視覚的に分かりやすい工夫をする

視覚的に分かりやすい工夫をすることも重要です。適切なレイアウトやフォーマットの選択、図やチャートの活用、強調や箇条書きの使用などが工夫に含まれます。
また、画像や場合によっては動画の活用も効果的です。視覚的な要素を工夫することで、読み手が情報を素早く把握しやすくなります。

さらに、色やフォントの統一性も重要であり、一貫性のあるデザインにすることで読み手の理解が促進されます。視覚的な分かりやすさは、理解のしやすさを助け、業務効品質と効率の向上にも貢献します。

即実行できる内容にする

マニュアルや手順書を作成する時に注意するポイントは、即実行できる内容にすることです。読者が手順書を開いてすぐに作業を始められるように、明確で具体的な手順を提供する必要があります。
また、手順を分かりやすく整理し、不要な情報を省くことで、読者が迷うことなく作業を進められるようにします。

もし、マニュアルや手順書の内容が、即実行できないものだったり曖昧な指示だったりすると、作業が遅れたりミスが生じる可能性があります。
そうなると、マニュアルや手順書がある意味が無くなってしまうので、即実行可能な内容を提供するようにするのが注意点です。

表現は簡潔にする

マニュアルや手順書を作成する際に重要なのは、表現を簡潔にすることです。冗長な文章や複雑な表現は、読み手の理解を妨げてしまいます。そのため、必要な情報を的確に伝えるためには、言葉を選んで要点を明確にすることが重要です。
簡潔な表現を心がけることで、読者は情報をすばやく処理し、作業を効率的に進めることができます。不要な言葉や冗長な説明を省けば、文書全体がスッキリと読みやすくなります。また、簡潔な表現の方が読み手の興味を引きやすい傾向もあります。

もし、複雑な表現や冗長な文章でマニュアルや手順書を作成してしまうと、読者の理解を妨げ作業の遅れやミスを引き起こす可能性があります。また、読者が疲れやすくなり、文書全体の信頼性が低下する恐れもあります。
簡潔な表現は、マニュアルや手順書の品質を向上させるだけでなく、読者の満足度も高めます。したがって、マニュアルや手順書作成では、情報を簡潔に伝えることに注意しましょう。

5W1Hを意識する

マニュアルや手順書を作成する際に注意すべきポイントは、5W1Hを明確にすることです。つまり、誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、そしてどのように行うかを明確に記述します。
これにより、読者が情報を理解しやすくし、作業を円滑に進める支援になります。

5W1Hが明確でないと、作業がしにくいだけでなく、作業にとりかかることができなかったり、重大なミスにつながる危険性があります。そのようなマニュアルや手順書では、製品やサービスの信頼性まで損ねる可能性もあります。
5W1Hを明確にしてマニュアルや手順書を作成するのは、業務効率を向上させ、業務品質を保つためにも不可欠です。

マニュアルや手順書に似た「取扱説明書」や「規定」の定義は?

マニュアルや手順書によく似た文章として、取り扱い説明書や規定があげられます。よく似た用語なので、使用を混同してしまう場合がありますが、この章では、それぞれの意味の違いを示しておきたいと思います。

取扱説明書は、製品やサービスの使用方法や機能について詳細に説明した文書です。一般的に、取扱説明書には、製品やサービスの概要や基本的な操作方法が明確に記載されています。
また、製品やサービスの安全上の注意や使用上の注意事項も示されており、ユーザーが安全かつ効果的に利用できるように配慮されています。
さらに、トラブルシューティングの手順やよくある質問への回答も含まれており、取り扱い説明書を見れば、特定の製品に対しユーザーが問題を解決できるようになっています。

一方、規定は組織や団体における方針やルール、手続きに関する文書です。規定には、組織内の運用や行動に関する具体的なガイドラインが明確に示されています。例えば、社内の労働規則や品質管理の基準などです。
また規定は、法的な要件や規制に基づいて策定されることがあり、法的な遵守が求められる場合もあります。さらに、規定は組織の中だけでなく、外部の関係者に向けても一貫性を保ちながら情報を提供することが求められる文章です。

物事のやり方やルールを記載しているという意味ではよく似ていますが、その文章を使用する人物の範囲や、特定のものの使いかた以外にどのような情報が盛り込まれるかが異なります。

まとめ

本記事では、マニュアルと手順書の違いを様々な観点から説明しました。また、作成する時の注意点も詳しく解説しました。本記事を理解すると、マニュアルと手順書の違いが明確に理解でき、それぞれを作成する時に役に立ちます。
もし、業務のマニュアルや手順書を作成することになったら、どちらの方法で作成するのが適切か、効果的に作成するにはどうするのかなどを考える参考にしてみてください。

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