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成果につながる研修後の理解度テストの作り方を3つのポイントとあわせて解説

成果につながる研修後の理解度テストの作り方を3つのポイントとあわせて解説

2024.03.09

新入社員の教育や既存の社員の昇格時などにおこなわれる社内研修。
その社内研修の効果を測定するためにおこなわれる研修テストですが、

「テストの作り方がわからない…」
「よりクオリティの高いテストを作成したい」

など、研修テストの作り方やクオリティに頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか?

今回は、研修テストの評価方法や実施方法、具体的な作り方、作成する際のポイントなどについて紹介していきます。

研修後におこなうテストの目的

新入社員向けの研修や既存の社員が昇格時に受ける研修では、日々の業務をこなす上で必要な知識やスキルを学ぶために実施されるものですが、研修を受けただけではそれらの知識やスキルがしっかりと定着したかどうかを確認することができません。

そこでおこなわれるのが、研修テストです。
おこなった研修の内容に関するテストを実施することで、参加した従業員が研修の内容をどれだけ理解できているかをチェックできるようになります。

また、理解できていない部分も明確になってくるので、その後のフォロー体制の構築や教育の方向性などを決めるのにも役立ちます。

研修テストにおける定番の評価方法「カークパトリックの4段階評価」とは

研修テストを実施する場合、その研修の効果を評価しなくてはいけません。
その際に用いられる評価方法として有名なのが、「カークパトリックの4段階評価」です。

カークパトリックの4段階評価は、アメリカの有名な経営学者であるカークパトリックが提唱した研修の効果を測定する方法であり、評価方法です。
カークパトリックの4段階評価は教育の効果を4つのレベルで表しています。

それぞれのレベルの概要について詳しく解説していきます。

レベル1. 反応

カークパトリックの4段階評価における一段階目の評価基準となるのが、従業員の研修に対する満足度です。
研修の対象者に対してアンケートやヒアリングを実施し、研修の内容に対する反応を探り、評価していきます。
研修の最後にアンケートを実施したりヒアリングをおこなうことで簡単に情報を集計できるため、確認しやすく、研修を実施する企業のほとんどが取り入れている評価歩法となっています。

レベル2. 学習

カークパトリックの4段階評価における二段階目の評価基準となるのが、従業員の研修に対する理解度です。
研修の目的は業務に必要な知識やスキルを身につけることであるため、満足度が高いだけでは不十分だと言えます。
そのため、研修の内容をどれだけ理解しているかについてもチェックしていく必要があるわけです。

理解度をチェックするためにおこなわれるのが研修テストになります。
また、研修に関するレポートを実施することで理解度をチェックすることもあります。

レベル3. 行動

カークパトリックの4段階評価における三段階目の評価基準となるのが、実践です。
研修で学んだ内容をどれだけ現場で実践できているか、日々の業務にどれだけ取り入れられているかをチェックし、評価していきます。
具体的な評価方法としては、研修後の一定期間で研修で学んだ内容をどれだけ実践できているかを、所属する部署のその他の従業員や上司を通してチェックしていきます。

レベル4. 業績

カークパトリックの4段階評価における四段階目の評価基準となるのが、成果です。
研修の対象者が研修で学んだ知識やスキルを用いてどういった成果をあげたかをチェックし、評価していきます。
用いられる指標としては売上などがあげられますが、これらの数値は研修で学んだこと以外の要因も複雑にからみあってくるため、正確に評価するのは非常に難しくなります。

レベル3やレベル4の評価はコストや手間がかかる評価方法であるため、実施しない企業も少なくありません。
まずはレベル2までを実践することを目標とし、進めていくことをおすすめします。

研修テスト実施方法

研修テストを実施する上で決めなくてはならないのが、どういった方法で研修テストを実施するのかについて。
主な実施方法としては、筆記試験とeラーニングの2つがあげられます。
それぞれの実施方法の概要とメリット・デメリット、どちらの方法での実施がおすすめなのかについて解説していきます。

筆記試験

研修テストの実施方法の一つ目が、筆記試験です。
研修の最後に紙を用いた試験をおこない、研修内容の理解度をチェックしていきます。
定番の実施方法で、ハードルの低い方法であるため、初めて研修テストを実施するようなノウハウがない企業向けの実施方法だと言えるでしょう。

ただ、アナログな方法である分、対象者が多くなると集計やチェックに膨大な時間がかかりますし、情報の蓄積や分析がおこないづらいというデメリットがあります。

eラーニング

研修テストの実施方法の二つ目が、eラーニングです。
eラーニングは、インターネットを介しておこなう研修テストの方法で、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを用いてテストを実施していきます。

デジタル技術を駆使した研修テストの実施方法であるためデータの閲覧や収集、分析をおこないやすいという大きなメリットがあります。
専用のシステムを用意するなどの対応が必要になるため実施のハードルは筆記試験よりも高いと言えますが、研修テストに対する取り組みを強化していくのであれば断然eラーニングでの実施がおすすめだと言えるでしょう。

テストを実施するタイミングと狙い

研修テストは研修をおこなった直後にのみ実施するものだと思われがちですが、効果を最大化するにはそれだけだと不十分です。
研修テストの効果を最大化するには、

・研修直前
・研修直後
・研修の3ヶ月後

の、3回に分けておこなうべきだとされています。

研修テストを実施するべき3つのタイミングとその狙いについて解説していきます。

研修直前

意外と忘れがちな研修直前のテストですが、研修の効果をより正確に把握したいのであれば研修直前のテストは必ず実施するべきです。
研修の前にテストをおこなうことでその時点での従業員の知識やスキルを把握できますし、研修前のテストと研修直後におこなうテストの結果を比較することで研修の効果をより正確に把握できるようになります。

研修直後

研修の対象者が研修で学んだ内容をどれだけ理解し、自分の知識やスキルとして定着させているかをチェックするのが研修直後に実施するテストです。
研修の効果をより正確に把握するには、研修の前に実施するものとまったく同じ内容でテストを実施する必要があります。

研修の3ヶ月後

紹介してきたとおり、研修の目的は、従業員一人ひとりの知識やスキルを高め、会社の売上アップなどの成果につなげることです。
そのために研修直後にテストを実施し、研修によって知識やスキルが向上したかどうかをチェックするわけですが、学んだ直後のテストだけでは知識やスキルが定着しているかどうかを正確に把握することはできません。

そこで重要になってくるのが、研修の3ヶ月後に実施するテストです。
研修から時間をあけてテストを実施することで、知識やスキルがしっかりと身についているかどうかのチェックが可能になります。

研修テストの作り方

研修テストを作成する際の流れは以下のとおりです。

1. テストを実施する目的を明確にする
2. テストの仕様を決める
3. テストを作成する
4. テストを実施する
5. データを分析して改善する


それぞれの工程について詳しく解説していきます。

1. テストを実施する目的を明確にする

研修テストを作る際は、まずテストを実施する目的を明確に決める必要があります。
大きな目的としては従業員の知識とスキルを向上させ、会社の売上アップなどの成果につなげることですが、「〇〇の業務について学んでもらう」「〇〇のスキルを高めてもらう」など、より明確な目的が必要になります。

「新しいサービスを始めるにあたり、そのサービスに対する知識を身につけるために研修とテストを実施する」など、目的が明確になっているとより適した内容のテスト問題を作成できるようになるので、まずは目的を明確にするところから始めるようにしましょう。

2. テストの仕様を決める

研修テストの目的が明確になったら、テストの仕様を決めていきましょう。
筆記試験とeラーニングのどちらで実施するかのかについてはもちろん、

・問題数
・出題形式
・合格基準

などについても決めていく必要があります。

実施方法についてはeラーニングの方がメリットが多くおすすめだと言えますが、その他の項目についてはテストの内容や目的に合わせて柔軟に設定するようにしましょう。

3. テストを作成する

仕様が決まったら、決めた仕様に沿って研修テストを作成していきます。
テストを作成する際は、設問文や文章の仕様をを整えることを意識するようにしてください。
問題ごとに設問文や文章の仕様が変わってしまうと違和感を覚えてストレスを感じるようになり、テストの結果に影響してしまう可能性があります。

文章の語尾を「です・ます調」で揃えるなど細かなルールにはなりますが、余計なストレスを排除してテストに集中してもらうためにも配慮しながら作成するようにしてください。

4. テストを実施する

テストを作成し終わったら、適切なタイミングで実施していきます。
紹介してきたとおり、研修テストは、

・研修直前
・研修直後
・研修の3ヶ月後

の、3つのタイミングで実施するのが一番です。

3回もテストを実施するのは手間がかかりますが、研修の効果を正確に把握するには研修前のテストと3ヶ月後のテストも必要になりますし、複数回実施することでより知識やスキルが定着しやすくなるので、なるべく実施するようにしください。

5. データを分析して改善する

研修テストは実施して終わりではありません。
実施するだけで満足してしまう企業も少なくありませんが、成果につなげるためにはテスト結果の分析と改善が必要不可欠です。
最初に設定したテストの目的を達成することができたかどうかについてはもちろん、仕様が適切だったかどうかなどについても見直し、改善する必要があればどんどん改善していきましょう。

研修の対象者に対してテストに関するアンケートを実施し、満足度をチェックしたり、不満に感じた点をあげてもらうなどの対応もおすすめです。
そうすることで研修テストのクオリティを高められるようになります。

研修テストを作成・実施するときのポイント

研修テストはただ作成して実施すればいいわけではありません。
人材の育成や業績アップなどの成果につなげたいのであれば、成果につながるテストを作成する必要があります。
研修テストを作成・実施するときのポイントとしてあげられるのが、以下の3点です。

・日々の業務にあった問題文を作成する
・結果のフィードバックやフォローを怠らない
・テストを実施することや評価につながる可能性があることを事前に伝えておく


それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

日々の業務にあった問題文を作成する

研修テストの問題を作るときは、なるべく日々の業務にあった内容で問題文を作成するようにしてください。
業務にあった内容で問題文を作成できるかどうかは研修の内容によっても異なりますが、業界に関係のある問題や自社の製品・サービスに関係のある問題、日々の業務に関連する問題のほうがよりイメージしやすくなりますし、記憶にも定着しやすくなります。

結果のフィードバックやフォローを怠らない

研修テストの結果が出たら、その結果を従業員一人ひとりにしっかりとフィードバックしてあげるようにしましょう。
研修テストでは各従業員の理解度や得意・不得意をハッキリさせるのに効果的ですが、その内容を会社が把握するだけでは不十分です。
テストの結果をしっかりと伝え、今後どうしていけばいいのかしっかりとフィードバックしてあげることで従業員はより成長しますし、適切にフォローしてあげることでモチベーションを保ちながら日々の業務をおこなえるようにもなります。

フィードバックやフォローが不十分だとどこを伸ばせばいいかがわからず、修正するべき点もわからないままになってしまうため、人材を思うように育てることができません。
従業員の成長を促すためにも、フィードバックやフォローはなるべく積極的におこなうようにしてください。

テストを実施することや評価につながる可能性があることを事前に伝えておく

研修テストをおこなう際は、テストを実施することや評価につながる可能性があることを必ず事前に伝えておくようにしましょう。

抜き打ちでのテストには研修に意欲的に参加していない従業員の存在を表面化することができますが、そういった対応は一部の従業員の反感を買う可能性が高く、プラスに働くことはありません。
それよりも、事前にテストの存在を伝えて研修をしっかりと受けてもらうなど、従業員のモチベーションを高める方が得策です。

テストの結果が今後の評価につながる可能性がある場合は、そのことも伝えておくとよりモチベーションを高められるようになります。

まとめ

研修テストはただ作成して実施するだけでは効果を発揮しませんし、成果にもつながりません。
効果を最大化したり成果につなげたいと考えるのであれば、そのためのポイントを押さえつつ、正しい作り方で作成する必要があります。
 

・日々の業務にあった問題文を作成する
・結果のフィードバックやフォローを怠らない
・テストを実施することや評価につながる可能性があることを事前に伝えておく

という3つのポイントを意識しつつ、研修後にはカークパトリックの4段階評価を用いてしっかりとテストの効果を評価し、少しずつ改善していきながらクオリティを高めていくようにしましょう。

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