マニュアルを作成するときの流れ
マニュアルを作成する場合、主に以下のような流れで作成していくことになります。
1.どの作成方法でマニュアルつくりを進めるかを決める
2.マニュアルを作成する目的を明確にする
3.構成を作る
4.フォーマットを作る
5.構成とフォーマットに沿ってマニュアルを作る
6.フィードバックを集めて改善する
それぞれの工程について詳しく解説していきます。
どの作成方法でマニュアルつくりを進めるかを決める
「マニュアル」と聞くと紙のマニュアルをイメージする方が多いかと思いますが、他にもデジタルマニュアルや動画マニュアルなど、いくつか種類があります。
マニュアルつくりに取り組む場合、まずはどの作成方法でマニュアルを作成するかを決めなくてはいけません。
紙のマニュアル
マニュアルの作成方法の中で定番の方法と言えるのが、紙のマニュアルです。
市販の製品を購入したときについてくる説明書も、紙のマニュアルにあたります。
最もなじみのあるマニュアルなので、取り入れやすかったり活用しやすいというメリットがあります。
一方、マニュアルにボリュームが出てくると必要な情報を探すのが難しくなってしまいがちですし、持ち運びしにくいというデメリットがあるため注意しなくてはいけません。
また、印刷するたびにコストが発生するため、長い目で見るとコストパフォーマンスの悪いマニュアルの作成方法だと言えます。
デジタルマニュアル
近年紙のマニュアルの代わりに取り入れる企業が増えてきているのが、パソコンなどのデジタルデバイスで確認できるデジタルマニュアルです。
パワーポイントなどの資料作成ツールでマニュアルを作成し、PDF形式で保存するなどして活用していきます。
閲覧するのにデバイスが必要になるというデメリットこそあるものの、印刷する必要がありませんし、情報を探しやすいというメリットがあります。
また、紙のようにかさばらないため、保管場所に困ることもありません。
動画マニュアル
紙のマニュアルやデジタルマニュアルはテキストや画像で構成されるため、機械の操作方法やツールの操作方法など、細かな手順を伝えるのに向いていません。
その弱点を補ってくれるのが、動画マニュアルです。
動画マニュアルは映像を通して解説できるため、細かな手順が伝わりやすく、機械やツールの操作方法を解説するマニュアルとして大活躍してくれます。
作成するのに手間がかかるという側面はありますが、イチオシのマニュアルの作成方法だと言えるでしょう。
マニュアルを作成する目的を明確にする
マニュアルの作成方法を決めたら、次にマニュアルを作成する目的を明確にしていきます。
・新入社員の教育のため
・ノウハウを共有するため
・製品やツールの正しい使い方を把握してもらうため
など、マニュアルを作成する目的はいくつかありますが、何のためにマニュアルを作成するのかが明確になっていないと、内容がブレてしまいかねません。
内容がブレてしまうと本来の意図と異なる仕上がりになり、マニュアルを作成した意味がなくなってしまう可能性があるため、事前に「何のためにマニュアルを作成するのか」を明確にしておく必要があります。
構成を作る
マニュアルを作成する目的が明確になったら、いきなりマニュアルを作り始めるのではなく、まずは構成を作っていきます。
構成は、マニュアルで解説する内容の順序を決める作業です。
軽視されてしまいがちですが、「マニュアルの使いやすさは構成によって決まる」と言っても過言ではありません。
製品やツールの使用方法について解説するマニュアルであれば具体的な操作の手順が決まっているためそこまで構成の重要性は高くありません。
一方、その他のマニュアルの場合、どの情報をどの順番で読み手に提供するかで内容の理解度が大きく異なってきます。
マーケティングの知識を持ち合わせていない未経験者にマーケティングの必要性や考え方、具体的な取り組み方について解説するマニュアルを作成するとしましょう。
その場合、いきなり具体的なマーケティングの手順や取り組み方について解説しても頭に入ってきません。
なぜなら、マーケティングの必要性やマーケティングに対する考え方など、本質の部分を理解できていないからです。
そのため、この場合は、マーケティングの概要や必要性、マーケティングを展開していく上での考え方などについて解説し、その上で具体的な進め方や方法について解説していく方が良いと言えます。
このように、マニュアルつくりにおいて構成は非常に重要な工程であるため、マニュアルの作成をスタートさせる前に構成を作り込んでおく必要があるわけです。
フォーマットを作る
構成ができたら、後は各項目で伝えたいことを文字や画像、映像で伝えていくだけですが、情報を伝える際のフォーマットが統一されていないとマニュアルを使用する側が混乱してしまいかねません。
また、フォーマットを用意せず、その都度一から作成してしまっていてはいくら時間があっても足りません。
フォーマットはマニュアル作成の効率化にもつながるので、事前に作成し、用意しておくようにしましょう。
構成とフォーマットに沿ってマニュアルを作る
構成とフォーマットができたら、その構成とフォーマットに沿ってマニュアルつくりを進めていきましょう。
マニュアル作成は大変な作業ですが、構成とフォーマットがしっかりとしていれば、作業自体はスムーズに進められるはずです。
マニュアルを作るときは、
・どうすればより相手に伝わりやすくなるか
・どうすればより相手が理解しやすくなるか
を意識しながら取り組むようにしてください。
フィードバックを集めて改善する
マニュアルは、一度作って終わりではありません。
公開した後は、社員からフィードバックを集め、その内容を元にして改善をしていかなくてはいけません。
どれだけマニュアルを作るのに長けている人でも、最初から完璧なマニュアルを作ることはできません。
必要な情報が入っていないこともあれば、逆にそれほど重要ではない情報を詰め込んでしまっているケースもあります。
また、情報を伝える順序である構成の段階からダメ出しが入ることもあるでしょう。
せっかく作成したマニュアルを修正したり作り直したりするのは面倒かもしれませんが、現場が使いやすいと感じるマニュアルこそ良いマニュアルだと言えるので、現場の声を聞きながら改善を繰り返し、より洗練されたマニュアルに仕上げていきましょう。
まとめ
マニュアルの重要性や必要性を感じ、「マニュアルをつくりたい」と考えている企業向けに、具体的なマニュアルの作成方法について紹介してきました。
マニュアルの作成は、どれだけ丁寧に準備できるかによって質が決まると言っても過言ではありません。
計画を立てず闇雲にスタートさせても良いマニュアルはできませんし、構成やフォーマットを用意しない状態で取り組んでしまっていては時間がいくらあっても足りません。
今回紹介した流れに沿って、少しずつ形にしていくことを意識しながら制作することが大切です。
まずは、
・紙
・デジタル
・動画
という3つの方法のうち、どの方法でマニュアルを作成するかを考えるところからマニュアルつくりをスタートさせてみてはいかがでしょうか?