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BPO事業とは?企業がBPOを活用するメリットから導入の流れまでわかりやすく解説

BPO事業とは?企業がBPOを活用するメリットから導入の流れまでわかりやすく解説

高齢化の影響もあってどの業界でも深刻化している人手不足。
好条件で従業員を募集しても応募が来ないというケースも珍しくなく、人手不足の影響が深刻で業績が好調であるにも関わらず撤退してしまうような企業もあるほどですが、そんな企業の苦しい状況を救ってくれるのが「BPO事業」です。

今回は、BPO事業の概要やBPOできる業務の具体例に触れながら、人手不足に悩む企業がBPO事業を活用するメリット・デメリット、導入の手順などについて詳しく紹介していきます。

BPO事業とは?

BPO事業のBPOは、「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略称で、自社の業務を外部に委託することを指す言葉です。
そして、このBPOをサービスとして提供するタイプの事業を「BPO事業」と呼びます。
サービスの内容はサービスを提供している企業によって異なりますが、BPO事業を活用すれば、日々の業務の一部を委託できるようになるのはもちろん、業務プロセスを一括して委託することも可能になります。

BPO事業に注目が集まっている理由

近年BPO事業を積極的に活用し、業務の一部や業務プロセス全体をBPO事業を提供している企業に任せる動きが活発になってきていますが、この流れには人手不足が大きく影響しています。
今はどの業界・どの業種も人手不足が深刻な状況になっており、2023年には人手不足が原因で倒産する企業が260件と過去最多になったというデータもあるほどです。

企業が人手不足の状態になると日々の業務をこなすだけで精一杯になり、業績向上や業績改善への取り組みを推進することができなくなってしまいます。
更に深刻な状態になると、日々の業務にも手が回らなくなり、企業として形を保てなくなって倒産してしまうわけです。
このような事態を避けるため、BPOのサービスを積極的に活用して人手不足の問題を解決しようと考える企業が増え、BPO事業への注目や需要が高まってきているわけです。

BPOとBPRの違い

BPOと混同されがちなものにBPRがありますが、BPOとBRPは大きく異なります。
BPOが「Business Process Outsourcing」の略称で業務を外部委託するものであるのに対し、BPRは「Business Process Re-engineering(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」の略称で、業務革新を意味する言葉です。

既存の業務フローや組織編成、戦略などを見直し、再構築することで、

・利益の最大化
・コストの削減
・生産性の向上
・従業員の満足度の向上

などを実現していきます。

BPOとアウトソーシングの違い

BPOはアウトソーシングとも混同されがちです。
企業が業務の一部を外部の企業に委託することをアウトソーシングと言いますが、BPOはこのアウトソーシングの一形態です。

アウトソーシングという大枠があり、その中の一つにBPOが含まれるといったイメージです。
そのため、同じものと捉えられてしまいがちですが、BPOでは特定の業務だけでなく業務プロセスの企画設計や実施をトータルで委託することもあるのに対し、アウトソーシングでは業務プロセスの委託はおこなわれません。
あくまで特定の業務を外部の業者に委託する行為がアウトソーシングになります。

BPO事業を活用するメリット

人手不足に悩む企業にとって非常に魅力的なBPO事業を展開する会社のサービスですが、実際にBPOのサービスを利用するかどうかを検討する上で気になるのが、BPOを活用することで期待できるようになるメリットについて。
企業がBPOを活用することで期待できるようになる主なメリットとしては、以下の3点があげられます。

・売上への影響が大きい業務に専念できる
・専門性の高い業務を専門家に任せられる
・教育コストを削減できる


これらのメリットが魅力的に感じられるのであれば、BPOの活用を真剣に検討するべきです。
それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

売上への影響が大きい業務に専念できる

企業の業務を大きく分けると、「コア業務」と「ノンコア業務」の2つに分けられます。
コア業務は、利益に直結する業務や利益を生むためにおこなう業務です。
定型的な業務ではなく、専門的な判断が必要になることが多く、難易度が高いといった特徴があります。

一方、ノンコア業務はコア業務を支援する業務やコア業務に分類されない業務を指します。
定型的な業務である場合がほとんどで、難易度も低めです。
そのため、誰でもできるというメリットがありますが、ノンコア業務自体が売上を生み出すことはありません。
そう考えると企業はコア業務に注力するべきだと言えるわけですが、ノンコア業務をおろそかにすることもできません。

人手不足に悩まされている企業の多くがノンコア業務の対応に追われてコア業務に時間をかけられずにいるという傾向がありますが、BPOを上手く活用し、ノンコア業務の対応を外部に委託することで、従業員が売上への影響が強いコア業務の対応に注力できるようになります。
コア業務に注力できるようになると、売上が向上し、企業の業績も良くなるので、企業にとって非常に大きなメリットだと言えます。

専門性の高い業務を専門家に任せられる

BPO事業者に委託できるのはノンコア業務だけではありません。
専門性が高い業務を専門家に任せたり、苦手としている業務やノウハウを持ち合わせていない業務を任せることも可能です。

BPO事業を手掛けている企業の中には、特定の業務を得意としている企業もあります。
得意としている部分や強みとしている部分はそれぞれの事業者によって異なりますが、コールセンターなどカスタマーサポートの部分を得意としている事業者もあれば、売上への影響が大きいマーケティングの部分を強みとしているBPO事業者などさまざまです。

慣れていない業務やノウハウのない業務を無理に自社で対応しようとすると余計に時間がかかったり思わぬトラブルにつながってしまうこともありますが、そのような業務をスペシャリストであるBPO事業者に任せることで、効率的に対応できるようになりますし、業績アップなどの嬉しい効果も期待できるようになります。

教育コストを削減できる

売上に直結しないノンコア業務は新入社員など経験が少ない従業員に任せるのが一般的ですが、いくらノンコア業務とは言えいきなり任せられるわけではありません。
どんな単純作業であっても必ず教育やサポートが必要になりますが、その際に教育コストが発生します。

この教育コストは特定の業務の担当者が休職したり離職するたびに発生することになるわけですが、BPO事業者に業務を委託する場合、この教育コストがまるまる浮くことになります。
短期間に発生する教育コストは企業にとって微々たるものかもしれませんが、中長期的な視点で見た場合、結構な金額になるので、これもBPOを活用することで得られる大きなメリットの一つだと言えるでしょう。

BPO事業を活用するデメリット

企業の人手不足問題を解決してくれるBPO事業ですが、活用する上でのデメリットがないわけではありません。
主なデメリットとしては、以下の3点があげられます。

・コストがかかる
・委託した業務に関するノウハウやナレッジを蓄積することができない
・セキュリティ面でのリスクが生じる


BPO事業を活用するべきかどうかは、先ほど紹介したメリットとこれらのデメリットとを比較しながら検討するようにしなくてはいけません。
それぞれのデメリットを詳しく解説していきます。

コストがかかる

BPOを取り入れる場合、業務を他社にアウトソーシングすることになるので、当然ですがそれなりのコストが発生します。
費用は依頼する業者や依頼の内容によって異なるため一概に「〇〇円かかる」と言い切ることはできませんが、最低でも数万円はかかると考えておくべきでしょう。
初期費用などの導入費用が発生する場合もありますし、BPOを利用し続ける限り継続的に費用が発生することになるので、その点は事前にしっかりと認識しておく必要があると言えるでしょう。

委託した業務に関するノウハウやナレッジを蓄積することができない

BPOは非常に便利なサービスで、さまざまなメリットをもたらしてくれますが、委託した業務に関するノウハウやナレッジを蓄積することができないという大きなデメリットがあります。
例えば、単純な入力作業一つとっても、日々対応し続けていく中でより効率的なやり方やミスが発生しづらいやり方など、何かしらのノウハウやナレッジが蓄積していくものです。

ただ、BPO事業を利用して他社に作業を依頼する場合、実際に手を動かして作業するのは委託先なので、その業務に関するノウハウやナレッジを蓄積することができません。
ノウハウやナレッジを蓄積することができないと、いざ自社で対応するとなったときに参考になる情報がなく困ることになるので、ノウハウやナレッジを定期的に共有してもらえるような体制を整える必要があります。

セキュリティ面でのリスクが生じる

情報漏洩などセキュリティ面でのリスクが生じる可能性がある点も、BPOのサービスを活用する上で注意しなければならないデメリットの一つです。
どういった業務を委託するかによって漏洩する情報の内容が異なりますが、BPOのサービスを利用して業務を委託するということは、自社の情報の一部を渡して作業してもらうということになるので、どうしても委託先から情報が漏洩してしまう可能性があります。

情報漏洩は会社の評判や顧客からの信頼に大きく関わるものなので、何としても避けなくてはいけません。
委託先の企業を探す際は、セキュリティ面もチェックしながら選ぶようにしましょう。

BPOできる業務の例

メリットとデメリットを比較した上でBPO事業の活用を前向きに検討する場合、実際にどういった業務を委託できるのかについても把握しておかなくてはいけません。
BPOできる業務は多岐にわたりますが、大きく分けると以下の4つに分けることができます。

・直接部門
・間接部門
・IT部門
・コールセンター部門


それぞれ詳しく解説していきます。

直接部門

BPO事業を利用して委託できる業務の一つ目が、直接部門に該当する業務です。
直接部門に該当する業務としてあげられるのは、以下のような業務です。

・営業
・製造
・販売


例えば、営業活動にともなって発生する事務的な作業をBPOで委託することで、得意先まわりや新規開拓など、より重要度の高い業務に集中できるようになります。
また、企画力や販売力は優れているものの製品を製造する工場や設備を持っていない企業が製造の部分だけをBPOで委託したり、営業を苦手としている企業が営業代行のサービスを活用して営業全般を委託するようなケースもあります。

間接部門

BPO事業を利用して委託できる業務の二つ目が、間接部門に該当する業務です。
企業が抱える業務はさまざまですが、

・経理
・人事
・総務

などに該当する業務は、売上に影響するような業務ではありません。
ただ、企業を経営していく上で必須になる業務でもあるため、軽視することはできません。

その一方でこれらの業務の対応に人員や時間を割くと売上に影響する直接部門の業務に割ける時間が少なくなってしまい、業績に影響する可能性があるため、BPOで外部に委託するわけです。
先ほど紹介した直接部門に該当する業務は少なからず売上に影響する業務なので、いきなり外注するのは気が引けるかもしれませんが、間接業務は売上に直接影響するような業務ではないので、BPOとの相性が良く、委託しやすい業務だと言えます。

IT部門

BPO事業を利用して委託できる業務の三つ目が、IT部門に該当する業務です。
IT部門に該当する業務は、

・社内ヘルプデスク
・社内のデバイス管理
・社内システムやネットワークの保守管理

など多岐にわたりますが、いずれもITに関連する業務という特徴があります。

ITに関連する業務は非常に専門性が高く、対応できる人材を採用するのに手間やコストがかかるため、BPOでまかなう企業が多くなっています。
専門性の高い業務を専門家に委託することでBPOのメリットを最大化できるようになるので、こちらもBPO向けの業務だと言えるでしょう。
ちなみに、IT部門に分類される業務のBPOは、「Information Technology Outsourcing(インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング)」の頭文字をとった呼び方として、「ITO」と呼ばれることもあります。

コールセンター部門

BPO事業を利用して委託できる業務の四つ目が、コールセンター部門です。
コールセンター部門の業務は、電話を受けて対応するインバウンド業務とこちらから電話をかけるアウトバウンド業務に分けられますが、それぞれの業務は、さらに以下のように細分化されます。

・インバウンド業務:問い合わせ対応などのカスタマーサポート、商品やサービスの受注、予約の受付など
・アウトバウンド業務:テレアポ、既存の顧客への商品やサービスの案内など


これらは顧客満足度を高めたり業績を向上させるのに必要不可欠な業務ではありますが、定型化しやすい業務でもあります。
IT部門のように専門性が高い業務というわけでもないので、BPOとの相性は抜群です。

業務の一部をBPOするときの流れ

業務の一部をBPOするときの流れはそこまで複雑ではありません。

1. 委託する業務をピックアップする
2. 委託する業者を選ぶ
3. 効果を測定して定期的に分析する

の3ステップで委託可能です。

それぞれのステップの概要を詳しく解説していきます。

1. 委託する業務をピックアップする

まず始めにおこなうのが、BPOで委託する業務のピックアップです。
どの業務を委託するかを明確にしておかないと最適な委託先を選ぶことができないので、まずは委託する業務を明確にすることが求められます。

例外的なケースを除き、BPOでは基本的にコア業務ではなくノンコア業務を委託するのが基本です。
ノンコア業務でありながらボリュームが大きく、コア業務の対応を圧迫しているような業務をピックアップし、BPOで委託できないかどうか検討してみましょう。
また、社内システムやネットワークの保守管理など、専門性の高い業務もBPOに適しているので、そういった業務をピックアップするのもおすすめです。

2. 委託する業者を選ぶ

どの業務をBPOで外部の業者に委託するかが決まったら、次に委託先となる業者を選んでいきます。
業者を選ぶ際は、

・得意としている分野
・実績
・セキュリティ対策

などを重点的にチェックしながら選ぶようにしてください。

また、業務の一部を任せることを考えた場合、担当者の対応も重要なチェックポイントになります。
めぼしい業者が見つかったら、一度問い合わせてみて、対応の丁寧さやレスポンスの速さなどもチェックするようにしましょう。

3. 効果を測定して定期的に分析する

業者選びが完了し、実際に運用が始まったら、効果を測定して定期的に分析するようにしましょう。
BPOで業務の一部を委託するようになると、その分のリソースが空くので一見すると効果が出ているように感じられるかもしれませんが、生産性や売上の向上などしっかりとデータで確認するようにしなくてはいけません。

BPOで業務の一部を委託するようになったことでどれだけリソースが空き、その分をどういった業務に浮いた時間をどれだけ当てられるようになったのか、また、それによって生産性や売上の数値がどれだけ改善したのかなどを定期的に分析し、費用対効果を確認するようにしてください。

まとめ

人手不足に悩む企業の救世主となりうるBPO事業を詳しく解説してきました。
BPOの導入・活用にはデメリットや注意点もあるので導入するべきかどうかしっかりと検討する必要がありますが、人手不足に悩む企業にとっては非常にありがたいサービスなので、メリットとデメリットを比較した上で前向きに導入を検討するべきです。

また、人手不足を解消できるだけでなく、専門性の高い業務を専門家に任せられたり、教育コストを削減できるというメリットもあるので、ぜひ検討してみてください。

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